[写真]=Getty Images

 2024―25シーズンの大同生命SV.LEAGUE(SVリーグ)が11日に開幕した。世界最高峰のリーグを目指すSVリーグには、日本代表の選手だけでなく各国からもスター選手たちが多く集結。そのハイレベルなプレーが見られるはずだ。今回はその中でも注目の12選手(Part3では4選手)を紹介していく。

Part1はこちら>>

Part2はこちら>>

ルチアーノ・パロンスキー(日鉄堺ブレイザーズ/アルゼンチン代表)

[写真]=Getty Images

 守備とブロックアウトが強みのテクニカルな選手としてアルゼンチン代表でも活躍するパロンスキー。五輪を2連覇したフランス代表に近いプレースタイルで、世界のトレンドの最先端にいる選手だ。

 パロンスキーの強みの一つである守備については、VNL2024ではアルゼンチンチームで一番のレセプション返球率を記録。パリ五輪にもスタメンOHとして出場し、得意の守備でチームに貢献し、特にアメリカ、日本戦でのレセプション返球率は驚異の70%越えだった。

 パロンスキーの2つ目の強みであるブロックアウトは、彼の必殺技だ。ストレートコースを得意としており、ブロックを利用してコートの外側に飛ばすプレーがとても巧い。VNL2023、2024の日本戦でもブロックアウトを中心に得点を重ね、2戦共にアルゼンチンチームの最多スコアラーだった。

 またパロンスキーは身長198cm、最高到達点355cmと高さがありながら、守備と攻撃が上手いという日本にはあまりいないタイプのOHであり、彼のSVリーグ参戦は日本バレー界に多大な影響を与えることになるだろう。

フランチェスコ・レチネ(東レアローズ静岡/イタリア代表)

イタリア代表でもプレーするレチネ(右) [写真]=Volleyball world

 イタリアの小さな巨人の異名を持つレチネ。イタリア代表のスタメンの平均身長は200cmだが、レチネは186cmという身長でイタリア代表のOHとして活躍している。

 レチネは日本代表の髙橋藍に近い選手だ。守備型のOHで、イタリア代表が準優勝したU19世界選手権でレチネはベストレシーバー賞を受賞している。攻撃面でもレチネと髙橋藍は共通点が多く、両選手共に身長は高くないが得意なクロスコースを中心にスパイクをしっかりと叩き込むタイプだ。

 またレチネはブロックも良い。横の移動が速く、ブロックの形とタイミングが完璧で、ブロックを中心としたディフェンスをする東レ静岡とは相性が良い選手だ。

 レチネは近年のイタリア代表やセリエAで所属していたピアチェンツァでは、主にワンポイントレシーバーとして起用されていた。ピアチェンツァでのレチネは、前述のルカレッリと対角のレアルが後衛の時にワンポイントレシーバーとして起用されたり、OPのロマノが不調の時はレアルをOPにして、ルカレリと共にOH対角を組んだこともあった。

 ”小さな巨人”レチネのトップクラスの守備と抜群の身体能力から繰り出されるスパイク&ブロックには要注目だ。

アラン・ソウザ(東レアローズ静岡/ブラジル代表)

[写真]=Getty Images

 バレー王国ブラジルで長年OPを務めているアラン。右利きのOPで、身長202cmで最高到達点が368cmと高さは世界トップクラスを誇る。

 その特徴は体の力を余すことなく使った美しいスパイクフォームであり、膝を深く曲げて沈み込んで高くジャンプし、しなやかなスイングでキレのあるスパイクを打ち込む。

 そんなアランの近年の活躍は、2019年のワールドカップでブラジル代表を優勝に導き、大会MVPを獲得したところから始まる。

 2021年の東京五輪には正OPのワレスの控えとして出場し、2022年はワレスが引退したことでブラジル代表の正OPとして期待されたが、VNLでアキレス腱断裂のケガを負い、約半年間の治療が必要となった。

 アキレス腱のケガから復帰した2023年には、国際大会で弟のダルランと共に活躍。クラブチームではポーランドリーグでスタメンとして躍動した。

 今年のパリ五輪にも選出され2大会連続の五輪出場を果たすと、正OPは弟のダルランだったが、ベスト4をかけたアメリカ戦では第2セットから途中出場し、チーム最多の16得点をあげる活躍を見せた。

 バレー王国ブラジルで長年活躍してきたアランの、世界トップクラスの高さとパワーに加え、30歳というベテランの域に入った冷静なプレーから目が離せない。

マチェイ・ムザイ(東京グレートベアーズ/元ポーランド代表)

ポーランド代表時代のムザイ [写真]=Getty Images

 ポーランド代表で2021年まで活躍したムザイ。ポーランド、イタリア、ロシアと世界3大リーグでプレーしてきた選手で、2019年のポーランドリーグではベストスコアラーとベストスパイカーにも選ばれている。

 ムザイは高い跳躍力からパワフルなスパイクを打つ左利きのOPで、身長は異なるものの日本代表の西田有志と共通点が多い。

 両選手共にスパイクの得意コースはストレートだ。剛腕サウスポーのストレートは、ブロックに当たったらブロックアウト。ブロックを抜けてレシーバーがいても吹っ飛ばすほどの威力を持っており、対策不可の必殺技だ。

 サーブについても両選手共に左利きの回転を活かした剛速球のジャンプサーブが持ち味だ。

 逆に西田とムザイの大きな違いは身長だ。ムザイの身長は208cm、最高到達点が365cmと世界トップクラスの高さを誇り、2段トスを打ち抜くのが上手い選手だ。

 東京GBとしての初陣となった仁川大韓航空ジャンボスとの日韓親善試合でも、2段トスを何度もストレートに叩き込んでいたのが印象的だった。

 攻撃力世界トップのポーランドが生んだパワフルサウスポー・ムザイの、強烈過ぎるスパイクに是非魅了されてほしい。