[写真]=Lega Pallavolo Femminile

 20日にセリエA女子第3節が行われ、福留慧美が所属するミラノと石川真佑が所属するノヴァーラがミラノのホームアリーナであるアリアンツ・クラウドで対戦した。リーグ戦初の日本人対決となったこの試合では、両者ともスタートから起用された。

 注目の1セット目、ノヴァーラが守備からの切り返し、サービスエースなどで5連続ポイントを獲得し、一歩前に出る。ミラノは、ラリー中に石川の強烈なスパイクを福留がダイレクトでディグを成功させ繋ぐシーンや、要所でのブロックポイント、サービスエースで追いつこうと奮闘するが、中盤から終盤にかけてもなかなかその差を縮められない。最後、サーブでややレセプションを乱された石川のネット際のボールをセッターのフランチェスカ・ボージオが巧く相手コートに押し込む形で得点を決め、ノヴァーラが21-25で逃げ切る形で先取する。

 2セット目序盤、1セット目とは逆の展開でミラノのリードで試合が進む。福留はコートを動き回って正しい位置取りをしていき、スパイクアウトを見極めるなどして得点に貢献。しかし中盤、ミラノのスパイクミスが2連続で続きノヴァーラが同点に追いつく。石川は攻撃だけでなくディグや相手スパイクのブロックタッチを取ってラリーに繋げるなど、守備でもチームに貢献し、終盤ついにノヴァーラが逆転に成功する。20点目以降はサイドアウトの取り合いとなり、デュースに突入。最後は、ノヴァーラの一瞬のコネクションミスの隙を見逃さずに再び優位に出たミラノが攻撃を切り返し、福留の2段トスからミリアム・シラがスパイクを決め32-30で2セット目を取り返す。

 続く3セット目、序盤は取っては取り返しの攻防で、点差がつかないまま試合が進む。中盤、14-13の場面で石川が交代しベンチへ。その後、ノヴァーラが何度かラリーを制し、16-18と一歩前に出る。ブロックポイントでノヴァーラが先に20点目にのせると、直後もブロックが炸裂しブレイク、さらにチャンスボールを活かして攻撃を決めて5点差とする。しかしそこからミラノがじりじりと反撃開始。ノヴァーラのスパイクミスも重なり2点差まで詰め寄る。ノヴァーラはセットポイントを得た場面で再び石川がコートイン。石川の強烈なスパイクを福留が拾って繋げるが、最後はノヴァーラのアウトサイドヒッター、タチアナ・トロクが高い打点から叩き込み、22-25で3セット目を取った。

 4セット目、序盤はお互いに連続ポイントを取るも直後に相手に取り返されるという展開に。中盤もお互い譲らず点差がつかないまま進むが、ミラノが4連続ポイントで21-16と前に出る。このまま逃げ切るかと思われたが、終盤ノヴァーラが石川やミドルブロッカーのアレッシア・マッツァーロを中心に怒涛の5連続ポイントで追いつき、再びデュースへ。このセット負けられないミラノは、サーブで崩された石川のレシーブを見逃さず、前に出たミラノが最後はブロックを決め、31-29でセットを取り切り、セットカウント2-2で勝負の最終セットへ。

 最終5セット目、序盤から一進一退の攻防が続く。石川は巧みなブロックアウトなどで得点を重ねる。珍しく福留がレセプションで乱されたところでノヴァーラがすかさずブレイクし一歩前に出るが、強めに叩き込んできたツーアタックを福留が拾い得点に繋げるなどして、ミラノは離されまいと食らいつく。10-10と一時追いつくも、粘り強く攻撃に繋げたノヴァーラが最終セットは終始優位に立ち、石川のスパイクでマッチポイントを握ると最後はブロックで仕留め、12-15で勝利となった。

 デュースとなったセットを2度勝ち切ったのはミラノだったが、リードされたセットに追い上げを見せ、そしてリードするセットでは逆転を許さず勝ち切るノヴァーラのプレーが勝利に繋がった。

福留はフル出場で安定のサーブレシーブやラリー中のディグ、相手の攻撃に対する読みが素晴らしく、ボールを落とさない気迫のプレーが印象的だった。一方の石川も途中交代する場面もあったもののすべてのセットで先発出場。サーブで狙われながらも10得点を決め、守備でも光る一面を見せてチームの勝利に貢献した。

 これまで4試合を戦ったミラノは3勝1敗、3試合を終えたノヴァーラは2勝1敗という成績となっている。次戦の第4節、ノヴァーラは27日(日)1:30よりローマと、ミラノは28日(月)4:30よりクーネオと対戦する。

■試合結果

ミラノ 2-3 ノヴァーラ

第1セット 21-25
第2セット 32-30
第3セット 22-25
第4セット 31-29
第5セット 12-15