日本代表の大塚達宣が今シーズン、初の海外挑戦の場に選んだのは、セリエAのミラノ。そのミラノは、昨シーズンまでの4年間、日本代表の先輩でもある石川祐希が在籍していたチームだ。
今シーズン石川が移籍したペルージャと、ミラノは第9節で対戦。大塚も石川も途中出場はしたものの、コートを挟んで直接の日本人対決は実現しなかったが、その試合の後にした会話の内容を教えてくれた。
「大した話はしてないですけど(笑)まあでも石川選手も4年間ミラノで過ごされていたので、チームのことや雰囲気とか分かってはると思うので『こういう感じでしょ?』みたいな(笑)。それこそバレーだけじゃなくてミラノでの生活のことだとか、『スーパーここ良く使ってたよ』とか本当にそれぐらいです」
そんなミラノでの新しい生活に身を置く中、今のチームメイトとの関係性について聞いてみると、「良いと思います!自分で言うのもあれですけど(笑)」と笑顔で答えた。
その中で、「(関係性が)悪くはないと思うので、でもやっぱり英語もそんなにできる訳じゃないですし、チーム内でもイタリア語がメインなので、自分もイタリア語の勉強は優先してやるべきだと思っていて、こっちに来てからずっと勉強してますけど、少しずつ喋れることも、使う頻度も増えてきたかなと思います」とイタリア語はまさに今勉強中だとした。
少しずつ話せるようになっているとはいえ、イタリアに渡ってまだ3ヵ月程。外国語で自分の思いや考えを伝えること、込み入った話をするのは簡単なことではない。そんな環境の中、コミュニケーションを取るために大塚が大切にしていることがあると話す。
「やっぱりなかなか深い話をするのは難しい部分もあると思うんですけど、自分でも言葉で伝えられない分、表情だったり表現で、身体で伝える言語というか…ボディランゲージっていうんですかね、そういうのが日本にいる時よりも大事かな、というのは来た当初から感じていたので、そこは自分の中でも大事にしていきたいなと思っています」
確かに試合中の映像などでは、プレーしている時もベンチにいる時も常に声を出し続けている大塚。その「コミュニケーション能力がすごい」と伝えると、「いやそうするしか、そうしないと自分もやっていけないですし、チームメイトとの関係性も大事だと僕は思っているので、そういう意味では信頼関係はあると思うので、あとはもっと細かくプレーのこととか追及していけたら良いのかなと思います」と話した。
大塚のイタリア語もこれから熟練度を増していく中、さらにチームメイトとの信頼関係が深まり、それがプレーにおいても発揮され今後のチームの勝利に繋がっていくことだろう。
取材:トシキ