21日(金)、欧州バレーボール連盟(CEV)が開催する男子チャンピオンズリーグ(CL)の準々決勝2ndレグがペルージャのホームで行われた。
ヨーロッパの各国リーグの上位チームが集うWCL。リーグラウンドはグループAからEまでの5グループ各4チームに振り分けられ、ホームアンドアウェー方式の2回総当りで争う。各組の2位チームと3位チームの最上位1チームがプレーオフに出場し、その勝者が各組の1位チームが待つ準々決勝へ進出し、その勝者が準決勝、決勝と駒を進める。
リーグラウンドをグループAの首位で通過した石川祐希所属のペルージャはプレーオフを戦うことなく準々決勝へ進出。その準々決勝ではグループBを同じく首位通過したモンツァと対戦。12日に行われた1stレグでは3ー1でペルージャがアウェーで勝利していた。
ペルージャはアウトサイドヒッター(OH)に石川祐希とオレフ・プロトニツキ、ミドルブロッカー(MB)にアグスティン・ロセルとセバスティアン・ソレ、セッター(S)にシモーネ・ジャネッリ、オポジット(OP)にワシム・ベンタラ、リベロ(L)にマッシモ・コラチをスターティングメンバーに起用。
一方のモンツァはOHにエリック・ロアースとルカ・マルティラ、MBにテイラー・エイヴリルとガブリエレ・ディ・マルティーノ、Sにフェルナンド・クレリング、OPにアーサー・シュワルツ、Lにマッテオ・ピッキオという布陣で挑んだ。
第1セット、石川は3枚ブロック相手に冷静なブロックアウトでファーストポイントを取る。一進一退の攻防が続く中で石川は、バックアタックや強いサーブを受けた直後にエンドラインいっぱいのコースに決め切るなど、多彩な攻撃で得点を重ねる。プロトニツキがサービスエースを決め10ー7とリードを奪ったペルージャは、中盤にもロセルのブロックなどでブレイクを重ね、20ー14とリードを広げる。終盤もペルージャのペースで進み、最後はモンツァのサーブミスとなり25点目を取ると、まずは25ー18でペルージャが先取する。
続く第2セットも入りは拮抗した展開に。プロトニツキの強烈なサーブでペルージャが僅かにリードするが、中盤シュワルツのサーブターンでブレイクに成功したモンツァが15ー16と逆転に成功。石川もブロックに阻まれる。前に落とされたボールをパンケーキで拾う石川、ラリー中にブロックを決めるジャネッリの好プレーなどで何とか流れを変えブレイクを取りたいペルージャだったが、20点目以降はサイドアウトの応酬となりモンツァが先行。最後はペルージャのサーブミスで23ー25とこのセットを落とす。
第3セット、石川のスパイクが一度はアウト判定されたもののチャレンジ成功でインが認められ、序盤の大事な1点を取る。サイドアウトの取り合いとなる中、プロトニツキの強烈なサーブで返ってきたボールを石川がダイレクトで決め、8ー6とペルージャが前に出る。MBのロセルとソレの連続でのブロックポイント、石川のブロックを抜くクロスへのスパイク、さらにベンタラのサービスエースが決まりペルージャはその差を広げる。10点差をつけて20点目にのせたペルージャ。最後はプロトニツキの2連続サービスエースでこのセットを締めくくり、25ー14の大差でこのセットを取る。
ペルージャは1stレグで3ー1で勝利しており、今試合で2セットを制した時点でモンツァがペルージャを上回ることができないため、準決勝への進出が確定。第4セットは両チームともにメンバーを変更して戦った。ペルージャはプロトニツキ以外のメンバーをすべて変え、OHにニコラ・チャンチョッタ、MBにダヴィデ・カンデラーロとウカシュ・ウソヴィチ、Sにフランチェスコ・ゾッペラーリ、OPにヘスス・エレーラ・ハイメ、Lには2セット目途中から出場していたアレッサンドロ・ピッチネッリがスタートからコートに立った。
序盤からブロックに阻まれたペルージャがモンツァにリードを許すが、チャンチョッタのサーブターンで6連続ポイントを奪い怒涛の追い上げを見せる。一度は逆転したものの、再びモンツァに取り返され追いかける展開に。石川は18ー21とリードされた終盤にプロトニツキに代わってコートに入り、セットポイントを握られた場面でサーブで崩しブレイクに貢献、24ー24と同点に追いつく。デュースに突入し、モンツァ先行でサイドアウトの応酬が続くが、石川がブロックを決め遂にペルージャが前に出てマッチポイントを握る。モンツァも粘るが、最後はエレラのサーブで崩しチャンスボールで返ってきたボールを石川がブロックアウトを決めると31ー29でこのセットを制し、セットカウント3ー1でペルージャが勝利を飾った。
石川は1、2、3セット目はスタートからフル出場、4セット目に関しては終盤リードされた場面から途中出場し、自らのスパイク、サーブ、ブロックで試合の流れを変え、勝利に貢献した。また、両チーム最多となる19得点をあげMVPにも選ばれた。
今試合に勝利したペルージャは準決勝へ駒を進めた。次戦、欧州CLのプレーオフ準決勝は、5月17日(土)3:00より、リーグラウンドで同組だったトルコのハルクバンク・アンカラと対戦する。
■試合結果
ペルージャ 3ー1 モンツァ
第1セット 25ー18
第2セット 23ー25
第3セット 25ー14
第4セット 31ー29