[写真]=Volleyball World

 22日にイタリアのフィレンツェで今シーズン初のタイトルマッチとなるスーペル・コッパの決勝が開催され、日本代表の石川祐希が所属するペルージャがトレンティーノを3-2で下し、3連覇を達成した。

 21日の準決勝ではピアチェンツァと対戦したペルージャ。石川は1セット目の中盤から最後までコートに入り、チームは3-1で勝利していた。決勝の相手はモンツァをストレートで下してきたトレンティーノとの対戦となった。

 第1セットはお互いサービスエースで点をもぎ取る幕開けとなる。その後、トレンティーノのブロックに苦しめられるペルージャはリードを許し、追いかける展開に。中盤、11-14と3点差をつけられたペルージャだったが、相手のミスから畳みかけ、ジャネッリのツーアタック、セメニウクのサービスエース2本を含む脅威の8連続ポイントで19-14と逆転に成功。また20点目以降も石川が2本連続でブロックを決めるなど活躍を見せ、ペルージャが25-18と先取する。

 第2セットは序盤からトレンティーノのペースで展開され、ペルージャは9-15と最大6点差をつけられる。なんとか連続ポイントを取って点差を縮めるが、その後も中盤に開いた差を埋められず、19-25でトレンティーノがセットを取り返す。

 第3セット目も2セット目同様、トレンティーノが試合を優位に運び、ペルージャは追いかける展開に。強いサーブで崩すも、ダイレクトで返ってきたボールの処理が甘く得点に結びつかない、スパイクがネットにかかるミスなどもったいない場面もあり、なかなかペースを掴めず乗り切れないペルージャ。一方トレンティーノは上手くブロックタッチを取り、切り返して攻撃を決める。さらにはサービスエース、ブロックを取るなどして得点を重ねていき、14-24と10点差が開く。最後はミキエレットがスパイクを決め、このセットすべてのフェーズでペルージャを上回ったトレンティーノが15-25とし、勝利に王手をかける。

 後がないペルージャは第4セット、序盤は一進一退の攻防で進むが、3セット目0点だったブロックポイントを決め、サーブで崩すなどしてブレイクに成功し一歩前に出る。またフロアディフェンスが機能し始め、スパイクレシーブから切り返し、上手くブロックアウトを取る場面が増え点差を広げる。ペルージャが勢いそのまま、最後はトレンティーノのサーブミスで25-17とセットを取り、セットカウント2-2とし最終第5セットへ。

 勝負が決まる第5セット、ルッソのブロックで幸先よく1点目を取ったペルージャは4連続ポイントで勢いにのる。トレンティーノはスパイクミスも重なり、思うような攻撃にならずその点差を縮められない。さらに石川のサービスエースでペルージャがリードを広げる。最後は2連続で石川のバックアタックで試合を締めくくり、ペルージャが15-9で勝利を掴み取る。

 この試合でチーム最多の20得点を決めた石川はMVPを獲得。スタートから最後までコートに入り、攻守両面で素晴らしい活躍を披露した。

 試合後、石川はイタリア『Volley News』のインタビューに応じ、「優勝できて本当に良かったです。僕自身良い試合はできなかったけど、チームとして良いプレーができたから嬉しく思います」と、自分自身のパフォーマンスには満足していないようだった。

 また、セット序盤、トレンティーノのブロックに苦しんだ石川。「初めはストレートに打っていたのが上手くいかなかったので、修正してクロスに打つことで決まるようになりました」と試合中の修正をポイントにあげた。

 そのうえで「ジャネッリが完璧なトスをくれたので感謝しています。彼は本当に素晴らしく打ちやすいトスをくれますが、試合は簡単ではなかったです。僕は長い間、彼と一緒にプレーをしたいと思っていました」と、セッターのジャネッリを称賛した。

 親善試合含め、負け知らずでレギュラーシーズンに入るペルージャ。29日のセリエA開幕が楽しみだ。