[写真]=ヴィクトリーナ姫路

 今シーズンのSVリーグ女子で、現在5位につけチャンピオンシップ進出を見据えているのが、今年チーム設立11年目を迎えるヴィクトリーナ姫路だ。そのチームの得点源となっているのが、イタリア・セリエAからSVリーグに参戦したカミーラ・ミンガルディである。パワーあふれるスパイクや、周りを巻き込む明るい性格でチームを牽引するミンガルディに、初めて経験するSVリーグや日本での生活についてインタビューした。

――まず、初参戦しているSVリーグの印象を聞かせてください。

SVリーグはすごくタフだと感じています。試合数がものすごく多いですし、イタリアリーグとの大きな違いとしては、ラリーがすごく長い。日本のチームはディフェンス力が高いことが強みなので、ラリーが長くなります。でもイタリアにいた頃とはまったく違うバレースタイルが、自分のモチベーションにつながっているので、日本でプレーすることはすごく楽しいです。

――ずっとイタリアでプレーされていたカミーラ選手が、今季、日本でのプレーを選んだのはなぜですか。

日本のバレーボールを経験してみたかったんです。今までずっとイタリアでプレーしてきたので、イタリアで経験できることはすべてやったという感じがしていましたから。日本という新たな場所で、新しい経験をしたかった。今それができていることがすごく嬉しいです。

それに私は日本の文化が好きで、リスペクトしていますから。何か一つの目標に向かって、全員で戦うという日本の姿勢もすごく好きで、今その一員になれていることも非常に嬉しく思っています。姫路にはすごくアットホームな雰囲気で受け入れてもらったので、入団して2週間ほどでもう自分の居場所だと感じられるようになりました。

――日本での生活についてはいかがですか。

日本の特に好きなところは、どこに行っても何もかもキレイなところ。今、私が道を歩いている時に、何か落ちていたら、自分が拾って捨てたくなるぐらい、道がキレイ。そんなふうに私のメンタルも変わりました。どんどん日本人になってきています(笑)。

入団してから今まで、日本のすべてが素晴らしくて好きです。バレーも、文化も、食べ物も、街も。一つ嫌なところを挙げるとしたら、故郷のイタリアから遠いことぐらい(苦笑)。

――好きな日本食は?

ヤキニク!それとトンカツ!(日本語で)。でも何でも好きです。

――イタリアにもトンカツに似たミラノ風カツレツがあると思いますが、日本のトンカツのほうが好きですか?

はい。ちょっと違っていて、イタリアのは薄いので。私は分厚いほうがいいんです。カミーラは食いしん坊なので(笑)。

――カミーラ選手はよくピンク色のアイテムを身につけていますが、もともとピンクが好きなのですか。それとも姫路のチームカラーだから?

小さい頃からピンクが好きなんです。母がいつもピンク色の服を着せていたからだと思うんですけど。『何色を選ぶ?』と聞かれたら、必ずピンクを選ぶぐらい好き。だから姫路のカラーがピンクだと聞いた時は、パーフェクトだ!運命だ!と思いました(笑)。

――カミーラ選手はパワフルなプレーが印象的ですが、パワーはどのようにして身につけてきたのですか?

パワフルさは私のキャラクターの一部だと思っていて。バレーに限らず、私は全部パワフル。広い部屋にいても、私がいると絶対に他の人にわかるぐらい存在感があるようです。でも日本に来てからは、パワーだけでなく、スキルも取り入れて戦うことも学んでいます。だからパワーとスキルが合わさって、すごくいい調和が取れてきているのかなと感じています。

イタリアとはまったく違うバレースタイルなので、最初は難しかったんですけど、どんどん馴染めてきていると感じます。イタリアにいた頃は、パワー、パワーの一辺倒でしたが、日本に来て、フェイントやロールショットなど、細かいスキルを学び、スパイクを打つ時の選択肢が広がりました。

それと、イタリアではオポジットとしてプレーすることが多かったんですけど、日本に来てアウトサイドとしてプレーすることになり、サーブレシーブなど、もっと成長しなければいけないところはありますが、このポジションも楽しんでいます。

[写真]=ヴィクトリーナ姫路

――技術を取り入れる上で、チームメイトや対戦相手の中で参考にした選手はいますか?

例えば、群馬グリーンウイングスの髙相みな実さんや、大阪マーヴェラスの田中瑞稀さん。本当に技術が素晴らしいので。私はそうした選手たちにインスパイアされていろいろなことを学んでいます。ただ、身長や体格が異なるので、全部を取り入れるのは違うかなとも思っています。

――カミーラ選手は17歳からセリエAのトップカテゴリーでプレーを始めたそうですが、そのくらいの年齢からプロ選手になるのはイタリアでは普通のことですか?

もちろん全員というわけではありませんが、ほとんどの選手がそうです。実力がある選手は、若い頃からチームに選ばれて、活躍していきます。私は17歳でトップリーグに所属し、そこからすごく成長できたなと思っています。

――高校に通いながらプロ選手として活動していたのですか?

そうです。バレーボールのためにたくさん転校しました(苦笑)。イタリアの高校は5年間あるんですけど、後半の3年間は毎年学校が変わりました。所属チームが変わるたびに、転校していたので。でも私は勉強することがすごく好きだったので、そういう生活も苦にはなりませんでした。

――プロ選手になることを子供の頃から目標としていたのですか?

バレーボールを始めたばかりの小さい頃は、ただ楽しいというだけでバレーをしていたんですけど、14、15歳ぐらいから注目されるようになって、私には才能があるのかもしれないと思うようになりました。それで練習をさらに頑張るようになりましたし、親も応援してくれたので、もうそこからは『自分には実力があるんだ』ということを信じて、プロになることを夢見ていました。イタリアでは女子バレーはすごく人気があるので。

――女子のスポーツで一番人気があるのがバレーボールですか?

そうです。私が小さい頃からイタリア代表は強くて、特に最近の4年間は、パリ五輪や世界選手権で優勝するなどずっと勝っていますから、非常に人気が高いです。

――セリエAでは昨季観客数が1万人を越えた試合もあったそうですね。

そうなんです。毎試合、少なくても3000人か4000人ぐらい、本当にたくさんの人が観に来てくれます。

――SVリーグはまだイタリアに比べると女子の観客動員の面で苦戦しています。

イタリアと比べてしまうと少ないとは思うんですけど、その中でも姫路は、観に来てくださるファンの方が多いと感じます。他のチームと比べても今のところ私がやった会場の中では一番と言っていいぐらい。だからシアワセです。

[写真]=ヴィクトリーナ姫路

――日本でもさらに観客を増やすためにこうすれば、と思うことはありますか?

わからないですけど、もっと選手と触れ合えるイベントなどがあるといいんじゃないのかなと思います。それと、イタリアでは毎週土曜日の夜、必ずテレビで女子バレーの試合が放送されていて、人々の目に触れる機会が多かったんです。テレビで観ていい雰囲気を感じて興味を持ったら、実際に生で観戦してみたいと思うんじゃないでしょうか。そういうことも大事なのかなと感じます。

 終始笑顔で、時に「アハハハハ!」と豪快に笑いながらのインタビュー。姫路のチームメイトが彼女のことを「太陽のような存在」と言うのもうなずける。終盤戦もコートにポジティブなエネルギーを注入し、チームをまだ見ぬ高みに導こうとしている。

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この記事を書いたのは

米虫紀子

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