[写真]=市川雄大 ※2026年2月22日撮影

 東京グレートベアーズにとっては悔しい週末だった。28日(土)、29日と日本製鉄堺ブレイザーズを有明コロシアムに迎えて行われた連戦は、いずれもフルセット(2-3)の惜敗。チャンピオンシップ(CS)出場と、1回戦のホーム開催を目指す彼らにとっては後退と言わざるを得ない結果だった。

 2025-26 大同生命SVリーグのレギュラーシーズンは残りがあと6試合。サントリーサンバーズ大阪、大阪ブルテオンの2強は抜け出ているが3位以下は大混戦だ。3位・ジェイテクトSTINGS愛知が23勝、4位・ウルフドッグス名古屋が21勝、5位・広島サンダーズと6位・東京GBは19勝、7位・日鉄堺BZは17勝と続いている。CS出場のハードルは6位以内、1回戦開催は4位以内だが、どのチームがどの枠に入るかはまだ見えない。

 この2試合、東京GBのカスパー・ヴオリネン監督は、明治大から加入したばかりの新人セッター・近藤蘭丸を先発で起用した。その彼にとっても悔しい2日間だった。

「昨日に続き今日も接戦となりましたが、最後のセットだけでなく、落としたセットは勝負どころを取り切れませんでした。自分は2日ともスタートから行かせてもらったんですけど、僕の入る意味を問われる2日間だったと思います」

 近藤はシーズンの途中からチームに合流していて、連携が不十分なところはあるだろう。深津旭弘、今橋祐希といった同じポジションの先輩と比べて足りない部分もあるだろう。ただ、彼は「近藤蘭丸が入る意味」をこう言葉にする。

「(バルトシュ・)クレク選手、ルチアーノ(・ヴィセンティン)選手といったサイドへのトスのクオリティは自分に求められるところだと思います。この2日間はそのトスワークを含めて、自分の持ち味が出せませんでした」

 2セット目終了後のインターバルには、ロッカールームで近藤からクレクに話しかけて、コミュニケーションを取った一幕もあったという。ともかくチームメートと対話し、練習と実戦で合わせていくしかない。

 この試合の第3セット、第5セットは近藤でなく、深津がコートに立つ時間が長かった。第4セット、第5セットと柳田将洋の存在感も大きかった。

 説明不要かもしれないが、深津は現在38歳のセッターで、日本代表でも長くプレーしてきた名手だ。ベンチで座る時間も、近藤にとっては大きな学びになる。

「アキさんは真ん中の使い方……クイック、パイプの使い方が上手いです。そこは自分がしっかりできなかった分、どういう展開をしてくれるのか注目して見ていました。真ん中どう使いながら、サイドをどう生かしていくかは大切です。経験値が違いますし、勉強になるところがたくさんありました」

 深津、柳田、クレクといった偉大なキャリアの持ち主とプレーする価値を、近藤はこう言葉にする。

「ベテランの方々は色々な苦しい場面を乗り越えてやってこられています。自分が悪かったとき、相手が対策したときにどう違うプレーをしていくのか、どう展開していくのかという部分ですごく選択肢がありますし、落ち着いてプレーしています。本当に自分はいい環境でやらせてもらっているなと実感します」

 ヴオリネン監督は近藤の成長をこう評価する。

「一番大きいところで言うと、メンタル面です。彼がSVリーグでしっかり通用するセッターであることを、自分自身で認識できているところが一番の成長だと思います。その自信がパフォーマンスにつながります」

 ヴオリネン監督は、昨年10月の内定時にも近藤に対してこうコメントをしている。

「我々は近藤選手を長い間注視してきました。実際に話をした際、若いながらもゲームに対する深い理解を持っていることに気づきました。若手選手でこれほど成熟した考え方を持っているのは稀なことです。(中略)今後さらに努力を重ねることで、プロの舞台で大きな選手へと成長していく可能性をとても感じます。近藤選手をチームに迎えることを誇りに思います」

 東京GBはFC東京バレーボールチームの休部に伴い、 2022年6月に株式会社ネイチャーラボへの全体譲渡を経て発足した新興のプロチーム。SVリーグの男子では「首都圏唯一」のクラブだ。22歳の彼は成熟したベテランに囲まれて、そんなチームとともに成長していけるはずだ。

 東京GBにとってプレーオフ、チャンピオンシップへの進出は2024-25シーズンが初めてだった。チームは6位以内、4位以内という目先の目標に向かって、「ぎりぎり」の状況にいる。STINGS愛知、ヴォレアス北海道、サントリーとの3カードに向けて、近藤はこう意気込む。

「若手としてのフレッシュさ、勢いはすごく求められている部分だと思いますし。やらなきゃいけないという使命感はあります。プレーオフをホームゲームでやる、優勝するという目標がある中で、6試合あるんですけど、まず一戦一戦を戦っていきたいと思います」

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この記事を書いたのは

大島和人

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