インターハイは、多くの学校が“高校三冠”(インターハイ、国スポ、春高バレー)を夢見て臨む。今夏の開催地・京都府代表の東山ももちろんその高校の一つ。しかも今年1月の春高も制していた東山は、“四冠”を狙っていた。
だが、春高王者はベスト4で涙を飲んだ。春高では2年生エースとしてチームを優勝に導いた岩田怜緯は、「日本一を目指していたので、本当に悔しい。自分の決定力不足だった」と責任を背負い込んだ。
予選グループ戦からセットを落とすことなく順調に勝ち上がり、準々決勝では、U18アジア選手権で準優勝に貢献したオポジット、田中洸を擁する川内商工と対戦。この試合から岩田はギアを一段上げた。試合序盤、チームが好守備でチャンスを作ると、レフトから3連続でスパイクを決め、こめかみに血管が浮き出るほどの形相で雄叫びをあげた。6-1とスタートダッシュに成功してチームを勢いに乗せ、勝利に導いた。
新チームではキャプテンを任されたが、「自分は人に強く言えるタイプじゃない。豊田(充浩)先生にも、僕が甘いからチームがまとまらないんだと言われて……」と悩みながら、自分なりのキャプテン像を探し続け、見つけつつある。
「言う時は言うんですけど、口で言うのが苦手な分は、プレーで引っ張っていけたら。自分のプレーでわからせるというか、プレーでチームをまとめたり、活気づけられたらなと思っています」

まさにそんな姿を見せ続けた。
準決勝の相手は、清風。春高決勝では勝利したが、新チームになって以降のさくらバレーと近畿大会の決勝ではいずれも敗れた相手だ。第1セットは中盤、岩田が3連続でパイプ攻撃を決めて15-12とリードを奪うが、終盤逆転されてセットを失う。第2セットはクイックやライト攻撃でサイドアウトを重ねるが、後半は再び岩田にトスが集まった。
今年の東山は、昨年ほどサイドに高さがないこともあり、スピードのあるコンビバレーを磨いてきたが、この試合は周囲の決定率が上がらず、どうしても岩田にトスが集中。それでも岩田は軽やかな跳躍から、冷静に緩急を使い分けて得点を重ね、第2セットは22-20とリードした。しかしその後、多彩な攻撃を繰り出す清風に逆転され、23-24から、岩田のパイプ攻撃が清風の3枚ブロックに捕まった。エースはガックリと膝に手をついた。
「終盤になったら僕に上がるのはわかっていましたし、自分も『上げて』とセッターに言っていました。最後自分が決めていたら、デュースになって、勝てていたかもしれない。全体的には状況を見て、空いているところを見て決めたりもできたんですけど、やっぱり勝たせられなかったらエースとは言えない。最後、決め切れなかったのが、本当に悔しいです。
うちは打てる選手が揃っているので、自分も決めつつ、他の人も決め切れるように、これからどんどん練習していかなきゃ、日本一は獲れない。その中でもやっぱりエース勝負になった時に、自分が決め切れるように、意識してやっていかないと」

敗戦後は、隣のコートでフルセットにもつれていたもう一つの準決勝、鎮西対駿台学園の試合を見つめた。目に焼き付けたのは、同学年のライバル、一ノ瀬漣(鎮西)の姿だ。
「もう1試合勝っていたら対戦できたんですけど……。僕が見ていたのはちょっとの時間ですが、漣は全部決めてたんで、そこが自分と違うところかなと感じました」
大会中は、日本代表の東山OB、髙橋藍や富田将馬も会場に応援に駆けつけた。準決勝後、髙橋藍からは「最後の1本が上がってくるので、しんどいだろうけど、頑張れ」という言葉をもらった。
「藍さんも託されるエースだったので。東山でもそうですし、日本代表でも、最後、本当に託されている。自分も藍さんのようになれるように、最後、託されたボールを決め切る力をつけていきたい」
エースとして、キャプテンとして、覚悟を新たにした。今年はとことん背負う。そして再び頂点を掴み取る。




