日本バレーボール協会(JVA)は25日、男子日本代表監督にロラン・ティリ氏(60)が内定したことを発表した。
ティリ氏は、今夏まで代表監督を務めたフィリップ・ブラン氏と同じフランス人指揮官。フランスのカンヌや男子チェコ代表の監督を務めた後、2012年に男子フランス代表監督に就任すると、2015年のFIVBワールドリーグとヨーロッパ選手権で優勝を獲得し、2021年に行われた東京オリンピック(東京五輪)ではフランス代表を金メダルへと導いた経験も持つ。
2020年からはパナソニックパンサーズ(現・大阪ブルテオン)の監督も兼任。V.LEAGUEでは優勝こそ逃しているものの、就任してからの4シーズンすべてで3位以上の成績を残したほか、昨季の天皇杯ではタイトルを獲得した。
コート内では真剣にバレーボールと向き合い厳しい指導も行うティリ氏だが、ひとたびコートの外に出れば選手と交流を持ち、時には談笑しあう姿も見られる。また、所属する大阪Bではカタカナでのサインを披露したり、ファン感謝祭では選手とともにファンを笑いに包むなどチームに溶け込む姿も見せており、日本人をよく知る指揮官だ。
ティリ氏はJVAを通じてコメントを発表している。
「バレーボール男子日本代表チームの次期監督に就任する機会を与えてくださった川合会長をはじめ選考委員の皆さまに感謝申し上げます。とても光栄に思うとともに、日本バレーボール協会のプロジェクトと野望に大きな責任を感じています。すべての人にとって大きな挑戦であり、簡単なことではありませんが、優秀で経験豊富な選手、スタッフ、マネージャーたちのサポートがあれば、明るい未来が待っています。私たちならできると信じています。日本代表チームの力、強さ、経験、その価値観や資質を信頼し、私ならではの価値、国際大会やオリンピックでの経験も取り入れていきたいと思います」
「5年間にわたりヘッドコーチとして信頼とサポートをしてくれた大阪ブルテオンには心から感謝申し上げます。皆さま、本当にありがとうございます。新たな冒険の始まりが待ち遠しいです」
前任のブラン監督が率いた男子日本代表は東京五輪に続き惜しくもパリ五輪でもベスト8敗退という結果となったが、頂点を知るティリ氏とともに、4年後の栄光に向けた新たなスタートを切る。