男子日本代表のキャプテンで、セリエAのペルージャに所属する石川祐希のインタビューが、ウェブマガジン『i Volley Magazine. it』に取り上げられた。
2014年にイタリアに渡った石川は、今や世界のバレーボール界で地位を確立しつつある日本人選手の象徴となっている。モデナ、ラティーナ、シエナ、パドバ、ミラノを経て、2024-25シーズンからは強豪ペルージャの一員となった。
リーグ戦ではプレーオフに進出したものの、3戦先勝の準決勝で2連勝から3戦を落とし、逆転でチヴィタノーヴァに敗れた。決勝進出が決まる最終戦でスタメン出場した石川も悔しい表情を見せていたが、その後のピアチェンツァとの3位決定戦では見事に勝利し、ペルージャは昨季3位という成績で締めくくった。
そしてリーグ終了後、2025年5月に行われたのは欧州男子チャンピオンズリーグ(CL)の決勝戦。石川はスタメン出場で激闘のフルセットを戦い、ペルージャが見事に勝利。チーム史上初となる欧州CLの優勝トロフィーを手にした。石川個人としても、男子日本人選手として欧州CLを制覇した初めての選手になった。
その石川はペルージャのアンジェロ・ロレンツェッティ監督について、「彼は素晴らしい監督で、常に研究を重ねて私たちを指導してくれます」と感謝を表している。そしてジーノ・シルチ会長については「彼は感情的で、私たちにプレッシャーをかけるが、最初に喜ぶのは彼。チャンピオンズリーグ優勝は、彼の働きかけのおかげでもあります」と言及した。
石川が加入する前年、ペルージャはスーペル・コッパ、コッパ・イタリア、世界クラブ選手権、そしてリーグ優勝と4冠を達成。「2023-24シーズンにペルージャが全てを制覇していたことを知っていました。プレッシャーがあり、ケガが私たちを苦しめました。2024-25シーズンはリーグ優勝を逃しましたが、2025-26シーズンは、クラブワールドカップを含む5つの大会を制覇することを目指しています」と今季5冠を目標に意気込みを見せている。
また日本のファンについて「ペルージャのユニフォームを着たファンの皆さんを見るだけでやる気が出ます」と応援に駆け付けるファンの姿が確実に石川の力になっていることを明かした。
そして2025年にはSV.LEAGUE MEN(SVリーグ男子)のサントリーサンバーズ大阪とペルージャのパートナーシップ契約が締結され、10月には有明アリーナで両チームのエキシビジョンマッチが開催される。普段イタリアにいる石川にとって、ペルージャの一員としてプレーする自身を多くの日本ファンに見てもらえる貴重な機会となる試合に、「唯一無二の感動です」と高揚する。
昨季のペルージャでの経験を糧にし、現在の代表シーズンをキャプテンとしてチームの中心にいる石川。男子日本代表として、9月に開催される2025バレーボール男子世界選手権(世界バレー)に期待すると同時に、今季のイタリアでのシーズンにも引き続き注目していきたい。