バレーボールネーションズリーグ(VNL)2026男子大会が開幕し、熱戦が繰り広げられている。世界各国のスター選手が集まりNo.1を決める今大会では、実績十分のトッププレーヤーに加え次世代を担う若手にも注目だ。
本記事ではVNL2026で活躍が期待される、ブリザール・レオン・ミキエレット・ニコロフ・ロセルの5名を紹介。プレースタイルや、試合で注目したいポイントを解説する。
アントワーヌ・ブリザール|攻撃力も備えたフランスの司令塔

- 身長 / 最高到達点:196cm / 340cm
- ポジション:セッター
- 代表:フランス代表
- 所属クラブ:大阪ブルテオン
- 実績:東京・パリオリンピック金メダル、VNL2022・2024優勝、2025-26 SVリーグ優勝
2025-26シーズンから大阪ブルテオンでプレーし、加入初年度からチームをSVリーグ優勝へ導いたフランス代表のセッターだ。2026-27シーズンの契約も更新され、引き続き日本でプレーすることが決まっている。
ブリザールの特徴は、196cmの高さを生かしたセットアップと、相手ブロックに狙いを定めさせないトスワークだ。レセプションがネットから離れてもミドルブロッカーを使い、遠いサイドへも正確にトスを供給するトスワークである。
さらにブリザールはセッターでありながら自ら得点を奪える。ツーアタック、サーブ、ブロックのすべてで得点を狙い、相手がトスを警戒している一瞬の隙を逃さない。2025-26シーズンのSVリーグでは、アタック101点、ブロック62点、サーブ46点の計209得点を記録し大阪ブルテオンの優勝に大きく貢献した。トスワークはもちろん、ブリザール自身がどのように得点へ絡むかにも注目だ。
ウィルフレド・レオン|世界最高峰のサーブと決定力

- 身長 / 最高到達点:201cm / 385cm
- ポジション:アウトサイドヒッター
- 代表:ポーランド代表
- 所属クラブ:ルブリン
- 実績:パリオリンピック銀メダル、VNL2025優勝
レオンは、世界最高峰の攻撃力を誇るポーランド代表のアウトサイドヒッターだ。高い打点と強靱なフィジカルを生かしたスパイクに加え、強烈なジャンプサーブで試合の流れを変えられる。
なかでも、トスが乱れた場面での決定力が素晴らしい。相手の3枚ブロックが完成しても、上から打ち下ろしたり、ブロックを弾き飛ばしたりして得点に変える。攻撃の選択肢が限られる苦しい場面で、レオンにボールを託せることはポーランドの大きな強みだ。さらにジャンプサーブは威力がすさまじい。最高時速138kmを記録したこともある強烈なサーブは、リベロが正面でレシーブしても、セッターに返すことは困難だ。
VNL2025では途中合流ながら7試合で87得点、12本のサービスエースを記録。イタリアとの決勝でもチーム最多の16得点を挙げ、ポーランドの優勝に貢献した。ポーランドには攻撃力の高い選手がそろうが、勝負どころでボールが集まるのはレオン。その圧倒的な決定力は、VNL2026でも大きな見どころだ。
アレッサンドロ・ミキエレット|211cmの万能型アウトサイドヒッター

- 身長 / 最高到達点:211cm / 373cm
- ポジション:アウトサイドヒッター
- 代表:イタリア代表
- 所属クラブ:トレンティーノ
- 実績:2022・2025世界選手権優勝、2025世界選手権MVP
ミキエレットは、211cmの高さを持ちながら、スパイク、サーブ、ブロック、レセプションのすべてで高い能力を発揮する。さらに左利きという、世界でも珍しいタイプの選手だ。
攻撃では長い腕を生かし、相手ブロックよりも高い位置からスパイクを打ち込む。ポジションがアウトサイドヒッターで、レフトから左利きがスパイクを打つため、ブロッカーはポジション取りが難しい。後衛に下がれば、中央から強烈なバックアタックを仕掛けられる。
左腕から放つジャンプサーブも大きな武器だ。高い打点から鋭角に打ち下ろされるため、相手レシーバーはボールの軌道を判断しづらい。VNL2025では25本のサービスエースを記録し、大会のサーブランキングで2位に入った。
守備にも参加できることが、ミキエレットの価値をさらに高めている。211cmの選手がレセプションを担当しながら、攻撃では得点源になる存在だ。VNL2025では11試合で167得点を挙げ、その後の世界選手権ではイタリアを連覇へ導いて大会MVPを受賞。男子バレー界を代表する万能型選手だ。
シメオン・ニコロフ|208cm、19歳の大型セッター

- 身長 / 最高到達点:208cm / 352cm
- ポジション:セッター
- 代表:ブルガリア代表
- 所属クラブ:ロコモティフ・ノヴォシビルスク
- 実績:2025世界選手権銀メダル
シメオン・ニコロフは、2006年生まれの19歳。208cmという規格外の高さを誇る、ブルガリア代表の大型セッターだ。高い位置からトスを上げられるため、ボールがスパイカーへ届くまでの時間が短く、相手ブロックの反応を遅らせられる。
そしてニコロフはトスを上げるだけでなく、自らスパイクを打つ場面も多い。チャンスボールが返ってくる場面では、スパイクを打つ助走をとり、そのまま打つかトスを上げるかで相手ブロッカーを迷わせ、得点につなげている。
兄のアレクサンダル・ニコロフとのコンビも見どころとなる。弟のシメオンがトスを上げ、兄のアレクサンダルが高い打点からスパイクを決める形は、ブルガリアの象徴的な攻撃だ。兄弟のコンビネーションにも注目したい。
2025年世界選手権で銀メダルを獲得した若きブルガリアを、19歳の司令塔がどのように動かすのか。今後の男子バレー界を担う存在として、プレーを追っておきたい選手だ。
アグスティン・ロセル|読みと機動力に優れたアルゼンチンの主将

- 身長 / 最高到達点:198cm / 350cm
- ポジション:ミドルブロッカー
- 代表:アルゼンチン代表
- 所属クラブ:シル・スーサ・ヴィム・ペルージャ
- 実績:東京オリンピック銅メダル、VNL2023ブロックランキング1位
ロセルは、アルゼンチン代表のキャプテンを務めるミドルブロッカーだ。相手セッターの配球を読む力と、サイドまで素早く移動する機動力に定評がある。
198cmは、世界のミドルブロッカーの中で突出した高さではない。それでも、ロセルは相手スパイカーが打つタイミングに合わせて手を出し、ブロックポイントを量産する。単に高く跳ぶのではなく、セッターの体勢やスパイカーの助走から攻撃方向を予測し、最短距離でブロックに入る技術が高い。
VNL2023では大会最多となる53本のブロックを記録した。中央のクイックに対応しながら、両サイドにも素早く移動する。シャットアウトできない場面でも、ボールの勢いを弱めて後衛のディグにつなげられるため、数字以上に守備へ与える影響が大きい。
攻撃では助走の入り方を変えながら相手ミドルブロッカーを動かし、味方サイドアタッカーのブロックを減らす役割も担う。ラリー中の切り返しでもすぐに攻撃へ参加できるため、アルゼンチンは中央から継続して得点を狙える。得点に表れるブロックだけでなく、相手の攻撃コースを限定する動き、機動力を活かした攻撃にも注目したい。
世界のスターが集うVNL2026から目が離せない
今回紹介した5人は、それぞれ異なる武器を持っている。
完成度の高い司令塔であるブリザール、圧倒的な破壊力を誇るレオン、高さがあり守備もできるサウスポーのミキエレット。次世代を担う大型セッターのS・ニコロフと、ブロックで試合を動かすロセルに注目だ。
スパイクを決めた選手だけでなく、ブロックを遅らせたセッターや、相手の攻撃コースを限定したミドルブロッカーにも注目すると、VNLをより楽しめるだろう。




