国籍や所属チーム関係なく、最強の世界選抜チームを組めるとしたら、誰を選ぶか。バレーボールファンなら一度は考えたことがあるだろう。
本記事では、2026年現在の男子バレーボール界から最強の7人を選出する。プレースタイルや実績など、各選手の選出理由と特徴を解説する。
- アウトサイドヒッター:ミキエレット、レオン
- ミドルブロッカー:マクヘンリー、グロズダノフ
- セッター:ブリザール
- オポジット:ロマノ
- リベロ:グルベニコフ
アレッサンドロ・ミキエレット

- 国籍:イタリア代表
- 身長:211cm
- 最高到達点:375cm
- 所属クラブ:イタス・トレンティーノ(イタリア)
- 実績:2025年世界選手権金メダル・MVP、2024年欧州CL優勝・MVP
アウトサイドヒッターの1枠目は、イタリア代表のアレッサンドロ・ミキエレットだ。
サウスポーはオポジットになるのが主流だ。しかしミキエレットはアウトサイドヒッター。サーブレシーブに参加しながら、211cmの高さから攻撃できる数少ない選手だ。
攻撃面では、サウスポー特有のヒットポイントと高い打点からのスパイクが脅威だ。相手ブロックからすると、右利きの選手とは肩ひとつ分打つ位置が異なり、ボールの回転も逆になるため対応が難しい。守備面では、リベロにも劣らないサーブレシーブの成功率を誇る。
2025年の世界選手権ではMVPを受賞。イタリアが世界選手権を2度制した背景には、ミキエレットの活躍がある。攻守のどちらも高いレベルでこなせる211cmのサウスポー。世界選抜のアウトサイドヒッターに欠かせない1人だ。
ウィルフレド・レオン

- 国籍:ポーランド代表
- 身長:201cm
- 最高到達点:385cm
- 所属クラブ:ボグダンカ LUK ルブリン(ポーランド)
- 実績:2023年欧州選手権金メダル・MVP、2026年VNL金メダル
もう1枠のアウトサイドヒッターは、ポーランド代表のウィルフレド・レオンだ。
最高到達点385cmの異次元の高さを持った選手だ。ジャンプサーブの最高時速は、なんと138km/hを記録しており、リベロの正面に入られても弾き飛ばすほどの威力がある。
スパイクにおいては高さだけではなく、空中でのタメ(滞空力)が長く、相手ブロックが下りかけたタイミングでスパイクを打てる。通常、ブロッカーのジャンプが先に頂点に達してから降り始めるが、レオンは空中に残ったまま打ち分けられる。ブロックアウトを狙うか、空いたコースへ強打するか。相手ブロッカーからすると、選択肢を絞りきれない。
二段トスが上がって相手ブロックが3枚揃った場面でも、個人の身体能力だけで得点に結びつけられる破壊力がある。2026年のVNLではポーランドの金メダル獲得に大きく貢献した。
ミキエレットが攻守のバランスで選抜されるなら、レオンは「1人で試合を変える力」で選ばれる。この2人がアウトサイドに並ぶだけで、相手チームは的を絞れないだろう。
メリック・マクヘンリー

- 国籍:アメリカ代表
- 身長:200cm
- 最高到達点:374cm
- 所属クラブ:ニース VB(フランス)
- 実績:2026年VNL銀メダル
ミドルブロッカーの1枠目は、アメリカ代表のメリック・マクヘンリーだ。
25歳という若さのマクヘンリーは、身長200cmとミドルブロッカーとしては突出して大きいわけではない。だが、最高到達点374cm、スパイク時でも354cmを記録する驚異的な跳躍力を誇る。
マクヘンリーの真骨頂は、リードブロックの判断力だ。リードブロックとは、相手セッターがトスを上げた瞬間に反応して跳ぶブロックのことで、相手の攻撃を「読む」のではなく「見てから動く」技術が求められる。
マクヘンリーは、相手セッターのトスの軌道を見た瞬間に移動を開始し、レフトからライトまで広い範囲をカバーする。身長200cmを補って余りある高さと、横移動のスピード、腕の伸びで相手アタッカーのコースを完全に消し去る。
2026年のVNLではアメリカ代表の銀メダル獲得に貢献し、国際舞台でもその実力を証明している。スパイクでは、ポーランドを相手にブロックの上から打つ高さを見せている。
25歳という若さと驚異の跳躍力、スピードを武器に、ネット際で相手を封じるブロッカー。マクヘンリーはこれからの世界のミドルブロッカーを牽引する選手だ。
アレクサンダー・グロズダノフ

- 国籍:ブルガリア代表
- 身長:208cm
- 最高到達点:371cm
- 所属クラブ:ボグダンカ LUK ルブリン(ポーランド)
- 実績:2025年世界選手権銀メダル・ベストMB、ポーランドリーグ優勝(2024-25)
もう1人のミドルブロッカーは、ブルガリア代表キャプテンのアレクサンダー・グロズダノフだ。
208cmという高さに加えて、ネット際での落ち着きと駆け引きの上手さがグロズダノフの特徴である。グロズダノフは高さとタイミングで相手を仕留めるタイプだ。
ブロックでは、相手アタッカーの助走やフォームをギリギリまで見てから跳ぶ。2025年の世界選手権では、大会のブロック部門でトップの成績を収め、ベストミドルブロッカーに選出された。
攻撃面でもクイック攻撃の精度が高い。セッターからの速いトスに対して、タイミングを合わせて叩き込む。ブロックと攻撃の両方で存在感を発揮できる大型ミドルブロッカーだ。
マクヘンリーのスピードとグロズダノフの高さ。この2人がセンターに並べば、相手チームのアタッカーにとってネットの向こう側は、常にブロックの壁が立ちはだかることになる。
アントワーヌ・ブリザール

- 国籍:フランス代表
- 身長:196cm
- 最高到達点:350cm
- 所属クラブ:大阪ブルテオン(日本)
- 実績:2020年東京五輪金メダル、2024年パリ五輪金メダル、SVリーグ優勝(2025-26)
セッターは、フランス代表のアントワーヌ・ブリザールだ。
ブリザールの強みは、196cmの高さから繰り出されるジャンプトスと、自ら得点できるセッターであることだ。セッターは攻撃を組み立てる司令塔としての役割がメインである。しかしブリザールは、それに加えてブロック・サーブ・ツーアタックでも得点を取る。2025-26シーズンのSVリーグでは、セッターでありながら総得点209点を記録した。
さらに高い位置からのジャンプトスは、相手ブロッカーからするとツーアタックなのかトスなのかが判別しにくい。ブリザールがツーアタックのモーションからトスを出すと、相手ミドルブロッカーはブリザール自身を警戒せざるを得ない。
さらに、1本目がネットから離れた難しい場面でもミドルを使ったり、逆サイドへピンポイントで配球する技術がある。攻撃陣の力を最大限に引き出しながら、自らも得点源になれる。
レオンやミキエレットといった強力なアタッカーを操りながら、自身の得点力でも相手を崩す。この世界選抜の司令塔にふさわしいセッターだ。
ユーリ・ロマノ

- 国籍:イタリア代表
- 身長:203cm
- 最高到達点:354cm
- 所属クラブ:PGE プロイェクト・ワルシャワ(ポーランド)
- 実績:2022年世界選手権金メダル、2025年世界選手権金メダル・ベストOP
オポジットには、イタリア代表のユーリ・ロマノを選出する。
オポジットとは、セッターの対角に位置する攻撃専門のポジションだ。サーブレシーブには参加せず、前衛でも後衛でもスパイクで得点することが求められる。
ロマノの特徴は、体をインナー側を向いた独特のフォームから、ストレートとクロスを打ち分ける。相手ブロッカーからすると対応が難しい。またサウスポーから放たれるジャンプサーブは、右利きとは逆の回転がかかる。相手レシーバーにとって見慣れない軌道で曲がるため、崩れやすい。
2022年と2025年の世界選手権でイタリアの金メダルに貢献し、2025年にはベストオポジットに選出された。本記事の世界選抜には、ミキエレットとレオンという強力なアウトサイドヒッターがいる。相手はサイドを警戒せざるを得ないなかで、ロマノがライトから得点を取れるオポジットは、大きな武器になるだろう。
ジェニア・グルベニコフ

- 国籍:フランス代表
- 身長:188cm
- 所属クラブ:ウルフドッグス名古屋(日本)
- 実績:2020年東京五輪金メダル、2024年パリ五輪金メダル
リベロには、フランス代表のジェニア・グルベニコフを選出する。
グルベニコフの強みは、守備範囲の広さとボールコントロールの正確さだ。相手の強烈なスパイクに対して瞬時に反応し、味方がカバーできる位置にボールを上げられる。
サーブレシーブにおいても、コート全体を広くカバーし、味方アウトサイドヒッターの守備負担を軽減する。グルベニコフがサーブレシーブの中心にいることで、ミキエレットやレオンが攻撃により集中できる環境が生まれる。
東京五輪とパリ五輪でフランスの金メダル連覇に貢献し、世界選手権・チャンピオンズリーグなどの大会で、ベストリベロに選出されてきたグルベニコフがコートにいることで、チーム全体の守備が引き締まるだろう。
まとめ|7人が揃ったとき、最強の攻守が完成する
本記事で選出した世界選抜メンバーは以下の7人だ。
- アウトサイドヒッター:ミキエレット、レオン
- ミドルブロッカー:マクヘンリー、グロズダノフ
- セッター:ブリザール
- オポジット:ロマノ
- リベロ:グルベニコフ
この7人が同じコートに立てば、攻撃力と守備力の両方が高いレベルで成立するチームになるだろう。
ブリザールが配球し、ミキエレットとレオンがサイドから攻め、ロマノがライトから攻撃を牽引する。マクヘンリーとグロズダノフがブロックで壁になり、グルベニコフが拾い上げる。もしこの7人が同じコートに立てば、もっとも強いドリームチームとなるだろう。




