ネーションズリーグ(VNL)の第3週大阪ラウンドに臨んでいる日本代表は、3連戦で17日にベルギー戦を迎えた。チームはここまで10連勝と絶好調だが、主力には疲れも残っていて、16日のカナダ戦は普段控えに回ることの多い選手の活躍で逆転勝利をつかんでいた。
ベルギー戦も石川祐希、髙橋藍、西田有志といった主力組が先発から外れた。そんな中で22歳の甲斐優斗が、アウトサイドヒッターとして今大会初めて先発に起用されている。日本は3-0(25-20、25-22、25-16)のストレートでベルギーを下したが、甲斐の攻撃力が存分に生きる展開だった。
甲斐はスタメンを告げられたときの気持ちをこう振り返る。
「午前中のミーティングで、監督に言われました。急にスタートと言われてちょっとびっくりしましたけど、ここが一つ目のチャンスだなと思って、より気持ちを引き締めて準備していました」
22歳、200センチの若武者は第1セットから9得点を挙げ、3セットの合計はチーム最多の18得点。スパイクの成功率も70%と圧巻の数字だった。甲斐は試合をこう振り返る。
「自分は出場機会が少ない分、印象に残るようなプレーをしていかないといけないと思っていた。攻撃でしっかりチームを引っ張れたことは、すごく良かったです」
セッターの深津英臣はこう口にする。
「甲斐はウォームアップから素晴らしいスパイクを打っていて『こいつキレキレだな』と感じていました。『俺が出て活躍したい』という気持ちも伝わっていました。もちろん勝つためにトスをしていますけども『甲斐と一緒に勝ちたい』という気持ちが今日はありました」
今回のVNLで、深津と甲斐がコンビを組んだのは初めて。積極的にトスを回した深津の想像以上に、甲斐はスパイクを相手コートに刺し続けた。深津は驚いたような様子で、甲斐のプレーを語っていた。
「彼と今日マッチアップした2番の選手(フェレ・レガース)は、世界の中でも本当に素晴らしい選手です。甲斐にトスを上げたらどうなるかな? と思って上げたトスも今日は何本かあったんですけど、2番のブロッカーに対しても何も恐れることなくスパイクを打っていたので、すごいなと思いました」
深津は「味方」となった甲斐についても、こうコメントしていた。
「無表情でえげつないプレーしてくるので、相手としても怖いですけど、味方としては頼もしい感じです。『時が止まる』ではないけど、『あれ、すごい』みたいな感じのときがあります」
甲斐も深津に対する感謝を口にしていた。
「深津選手がブロックを1枚にしてくれることが多かったので、そこはしっかり打ち分けながら得点につなげられました。(ブロックが)2枚来ても際どいコースを狙いながら、上から打てる時は上から打ったりしながら、打ち切ることができていた。そこはより自信につながりました」
試合の手応えについてはこう述べる。
「ハイボールを打ち切れるところは、今までも自信を持っていた部分ですけど、それを再確認できたので、引き続きそこを強みとしてやっていきたい」
甲斐のスパイクは高くて速くて柔らかい。日本は「アウトサイドヒッター王国」だが、スパイクの質については、甲斐がナンバーワンにも見える。一方でレセプション、ティグ、パスの質については彼の課題であり伸びしろだ。逆に言うと、そこが改善されたら、日本代表には「甲斐の時代」が来るだろう。
「甲斐はどうすればポジションを取れるのか?」と尋ねた記者に対して、ロラン・ティリ監督はこう返してくれた。
「レセプション、特にフローターサーブに対するレセプションは強化したいところです。でもそこは練習をして、試合に出て経験を積めば、成長できます。ブロックの得点もあるし、スパイクはもちろん活躍してくれています。皆さん、もう少し待っていてください」




