世界最強を狙うビッグクラブ
ジラートはトルコリーグ2連覇中の絶対王者だ。クラブシーズン最大のタイトルである欧州チャンピオンズリーグ(CL)の優勝を目標に掲げ、昨季はアルパスラン・チャカル会長自ら「目標は欧州CL優勝」と宣言した。昨季は惜しくも銅メダルに終わったものの、欧州CL制覇を十分に狙える実力を示した。
そんなジラートの母体は、トルコの首都アンカラに本拠地を置く農業銀行である。その潤沢な資金力を背景に、今季も世界最高峰の選手たちが集結した。
日本代表主将の石川祐希に加え、世界トップクラスのオポジット(OP)であるニミル・アブデル=アジズ、五輪2連覇を果たしたフランス代表のトレボール・クレブノ、ベンジャミン・トニウッティら、実績豊富な選手が顔をそろえる。
今季は若手の獲得を見送り、経験と実力を兼ね備えた選手を中心に編成した。この豪華メンバーで、まずはトルコリーグの3連覇へ挑む。
ジラートバンク注目選手2選
新天地で好スタート
ジラートの注目選手1人目は、石川祐希だ。世界トップクラスのアタック力と、日本選手特有の繊細な守備力を併せ持つオールラウンダーである。
チームに合流して間もないものの、すでにエースの一角として存在感を示している。9月末に行われたTÜGİADエーゲ海国際トーナメントでは、3試合で54得点をマーク。絶対的エースであるニミルの58得点に次ぐチーム2位の数字を残した。
昨季のジラートは、勝負どころでニミルに攻撃が集中する傾向があった。石川が得点源として機能すれば、相手はニミルだけに的を絞った対策を取りにくくなり、2枚看板を軸とした攻撃はさらに強力になる。
またアジア選手権で調子を上げたレシーブ力も健在で、安定したレセプションで守備にも貢献。攻守にわたって存在感を示す一方、2月に捻挫した右ヒザにはサポーターが着用されている。また、セッターとのコンビネーションも、合流直後ということもあり、まだ完成途上だ。
新天地で好スタートを切った日本のエースが、どんな進化を果たすかに注目だ。
死角なしの最強エース
ジラートの注目選手2人目は、ニミル・アブデル=アジズだ。
世界トップOPにして世界最強サーバーの1人。アタックは規格外の高さとパワーを誇る。それだけでなく、インナーとストレートを的確に打ち分け、フェイントも織り交ぜるため、相手にとっては対策が難しい選手だ。
サーブも世界屈指の威力を誇り、ウィルフレド・レオンの139km/hに次ぐ137km/hの最速記録を持つ。本人はサーブの秘訣について「常に同じリズムで打つこと」と語っている。多彩な球種を使い分けながらもミスが少なく、アタックと同様に対策が難しい。
さらに、2シーズン前にSVリーグのウルフドッグス名古屋でプレーした際には、全49試合でスタメン出場。タフネスに加え、コンディション管理能力の高さもうかがえる。
異色の経歴も持つ。もともとはセッターとしてプレーし、オランダ代表として出場した大会ではベストセッターに輝いた経験もある。
アタック、サーブ、スタミナ、そしてセッターとしての経験まで。何が足りないのかと思わせるほど、あらゆる能力を兼ね備えたトップ・オブ・トップの選手だ。




