2025-26シーズンSVリーグ男子レギュラーシーズンは、サントリーサンバーズ大阪が40勝4敗という9割を超える圧倒的な勝率で優勝した。
チャンピオンシップを制した昨季も、レギュラーシーズンは36勝8敗と高い勝率だったが、1勝差で惜しくも大阪ブルテオンに届かず2位だった。
その昨季との違いを、今季サントリーでキャプテンを務める髙橋藍はこう語った。
「今シーズンは、スタートから非常にレベルの高いチームだったと感じています。メンバーは変わっていますけど、その中でも最初から完成度は非常に高かった。それに加えて、シーズンを通して他のチームも作られていく中で、連勝記録も29まで伸ばすことができたのは、自分たちも成長できていたからこそだと思う。もちろんシーズン後半、他チームができあがってくる中で落とした試合もありますが、しっかりチームとして戦い抜けたことは一つ自信になると思います」

昨季は、12月の天皇杯前の時点で11勝5敗だったが、天皇杯で勝ち方を確立して優勝したのをきっかけに、リーグでも後半一気に勝率を伸ばした。一方今季は、開幕戦で大阪ブルテオンに敗れたものの、2戦目以降は勝ち続け、天皇杯前の時点で13勝1敗。天皇杯ではヴォレアス北海道に敗れ準々決勝敗退に終わったが、それがチームを引き締め、リセットしてリーグ再開を迎えることができた。3月5日に日本製鉄堺ブレイザーズに敗れるまで29連勝し、最終的に40勝に達した。
髙橋藍が言ったように、序盤から完成度が高かったのは、新加入のセッター関田誠大が、足首の手術明けではあったが、夏場からチームに合流できたことが大きかった。
また、ミドルブロッカーの佐藤謙次は、「関さん(関田)とかトモ(小川智大)とか、国際大会などの経験豊富な選手が増えたことで、すごくコミュニケーションも活発になっていて、それが連携した動きの良さに繋がっていると感じます。昨季と大きく変わったわけではないんですけど、ちょっとしたところのクオリティが上がっている」と話していた。
技術別ではブロック、サーブ、サーブレシーブの数値が昨季より上がっており、特にブロックは、ロシア代表のアウトサイドヒッタ―、イゴール・クリュカの加入が大きい。身長207cmの高さがあるだけでなく、ブロックの技術や読みもいい。前衛にクリュカと218cmのオポジット、ドミトリー・ムセルスキーや2m超えのミドルブロッカー、小野寺太志や鬼木錬が並ぶローテーションはまさに壁。ブロックを抜けるコースが限定される上、後衛にはリベロの小川と、リベロ並みにディグのいい関田や髙橋藍がいるのだからなかなかボールは落ちない。

しかも、レギュラーシーズンでは勝ち続けながら、目の前の1勝だけでなく、チャンピオンシップも見据えていろいろなことを試していた。例えば、セットによってローテーションを変え、あえて相手とのマッチアップを変えてみる試合もあった。
また、守備の際、普段はオポジットが入る1のポジション(後衛ライト)に小川や髙橋藍が入ることもあった。
「相手はやっぱりディマ(ムセルスキー)には打たせたくないから、ディマの前のフェイントというのはどのチームもやってくると思うので」と小川が狙いを明かした。実際、相手がムセルスキーを潰そうと、そこに落としてきたフェイントを小川がすかさずカバーする場面があった。
トス配分についても、特にレギュラーシーズン終盤は、試合によってはムセルスキーの打数が減り、髙橋藍やクリュカの打数が増えるなど、勝つことを前提にしながらも、関田のさじ加減が垣間見えた。
関田は、「チャンピオンシップに向かうにあたって、いろんな選手のコンディションなども、僕は管理しないといけないと思っているので。そういった意味で、ディマだけでなくいろんな選手にしっかり得点に繋げてもらうというのを意識しながらやっています」と語っていた。
チャンピオンシップを見据えながらのレギュラーシーズン1位。ただそれでも、チャンピオンシップは、レギュラーシーズンの順位など関係ない別物の舞台であるということは、昨季の経験から誰もがわかっている。
髙橋藍は、レギュラーシーズン優勝を決めた4月17日の東京グレートベアーズ戦の後、言った。
「レギュラーシーズンで優勝したからといって、ファイナルで優勝できる保証はない。チャンピオンシップはまた雰囲気も変わりますし、相手も死に物狂いでやってくる中で、自分たちが今まで以上のプレーを出していかないと優勝するのは難しい。この(レギュラーシーズン優勝という)タイトルを取ったことは一つ自信にはするんですけど、気持ちを切り替えてやっていきたい」
セミファイナルの相手は、昨季と同じウルフドッグス名古屋に決まった。昨季のセミファイナルでは、第1戦に2セットを連取してから逆転負けを喫し、第3戦もギリギリの戦いでかろうじて勝利した。今季のレギュラーシーズンでは6戦全勝だったが、チャンピオンシップ・クォーターファイナルを勝ち上がったWD名古屋は各選手のギアが上がり、接戦をものにした勢いもある。レギュラーシーズンとは別チームと言っていい。
だがサントリーにもギアが上がる材料はある。今季は選手たちから自然と「ディマが最後だから、勝って送り出したい」という言葉が出てくる。

8シーズン、サントリーの大黒柱として数々の栄冠をもたらした37歳のムセルスキーが、今季限りで現役を引退することを表明している。
また、髙橋藍、小川、藤中颯志、デアルマス アラインの今季限りでの退団、樫村大仁の引退も発表されている。このメンバーで戦う最後のステージは、何がなんでも勝って終わらせる。




