日本代表キャプテンの石川祐希が、イタリア・セリエAでの11シーズン目、ペルージャでの2シーズン目を終え、5月21日に帰国。空港で取材に応じた。
今季のペルージャは、石川にとって初となるスクテッド(セリエA優勝)に加え、世界クラブ選手権、スーパー杯を制覇。最後に欧州チャンピオンズリーグ連覇も成し遂げ、4つものタイトルを獲得した。ただ石川自身は2月に右膝を痛めたこともあり、出場機会は限られたため、「複雑なシーズンだった」と率直な思いを明かした。
「メダルを4つ獲ることができたことに関しては、非常に嬉しく思いますが、そのうち(世界クラブ選手権以外の)3つに関しては、怪我などもあってコートに立つ機会が非常に少なく、今シーズンは僕自身はあまり絡むことができなかったので、そこに関しては悔しい思いと、怪我をしてしまったという仕方がない思いがあるので……喜びもありますし、心残りも少しあります」
怪我で2ヶ月ほどコートを離れたが、最終的に復帰し、6対6のゲーム形式の練習を重ねる中でパフォーマンスを上げ、チームメイトからも「いいね!調子上がってるね!」と言われていたという。ただそれでも、セリエAの決勝や、欧州チャンピオンズリーグの準決勝、決勝ではリリーフサーバーとしての復帰にとどまった。石川は冷静に、こう分析した。

「(ペルージャのアウトサイドヒッターの)セメニウク選手とプロトニツキ選手は、今のペルージャに非常に合っているというか。今シーズンは(オポジットの)ベンタラ選手が非常に攻撃に関して数字が高かったので、彼ら(セメニウク、プロトニツキ)の打数が間違いなく昨シーズンより少なかった。そうなると、アウトサイドに関してはレセプションをしっかり返すことが一番の役割になる。
彼ら2人に対して、僕はまだレセプションの部分で足りないところがあるので、それもあって、彼らが出ることが非常に多かったなと。だから僕はこれ以降、レセプションをもっと磨いて、彼らと同じようなレベルに達したいなと思います。アタックに関しては、僕のほうが決定率高く打てると自負しているので、あとはレセプションと、それとサーブのところで、よりミスなく効果的に打てるようになってくれば、もっともっと僕自身のレベルも上がってくるかなと思います」
ペルージャでの最後の試合となったチャンピオンズリーグ決勝を終えた時、どんな思いが湧き上がったのかと問うと、「そこは非常に難しいところで」と苦笑しながら、こう答えた。
「セリエAも、チャンピオンズリーグも、決勝を(外から)見ていて、『やっぱり試合したいな』とか、むしろ逆に『このペルージャというチームを倒したいな』という思いにもなったりしました。『こっちで出られないなら逆に、対戦相手としてペルージャと戦ってみたいな』って(笑)。もちろんコートに入った時はしっかりと活躍する、という思いはありました。だから(終わった時は)勝った嬉しさと、その先を見据えてのワクワクと、そういうものが混ざっていましたね。
でもこのチーム(ペルージャ)にいられたことはすごく幸せでしたし、このチームでしか感じられなかった経験、嬉しさだったり、喜びだったり、悔しさだったり、苦しさだったり、そういうものを2年間いろいろと感じられて、そこは今まで所属したクラブでは感じられなかったところだったので、僕のこの先に繋がるなと。今まで感じられなかったことを感じられた経験、新しい経験はすべて、僕を成長させると思っているので。ペルージャに所属したからこそわかることや、所属しなければ一生わからなかったこともあるので、そういうものもこの2シーズンで学べました」
ペルージャはなぜ勝ち続けられるのか。その答えは、「練習がすべて」だと学んだ。それはこれから始まる日本代表にも還元できる。
「(ロレンツェッティ)監督が、『1本を無駄にしない』というふうに練習から常に言っているので、その練習が、試合に生きている。非常に強いということは皆さんも見ていて感じられたと思うんですけど、僕はベンチとかから見ていて、何か特別なことをやっているわけではなく、練習通りにプレーできていることが僕たちの強さなんだと感じた。無駄な練習が一切なく今シーズン戦えたので、そこがやっぱり強さに繋がったと思っています。
代表でもそういった1本の大切さというのは重要になってくると思う。昨年の代表に関しては、僕も緊張感が足りなかったとか、そういった言葉を口にしていたと思いますが、やっぱり(ペルージャと)比較すると、内容の濃さが違うのかなと改めて感じたので、そこは代表にも生きるところだと思います」

今年9月にはロサンゼルス五輪の出場権がかかるアジア選手権が開催される。そこに向けてどんな練習を重ねていけばいいのか、イメージがより明確になった。
「ペルージャではなかなかコートに立てなかった分、代表ではしっかりコートに立って、あとはキャプテンとして、どのような状況でも、オリンピックの切符を勝ち取るために役割をまっとうしたいし、そこが求められているところだと思っています」
常勝チームで学んだ勝利のメソッドと、試合で戦うことへの飢え。両方を携えて、今年も日本代表を牽引する。




