[写真]=Volleyball World

 LA28(ロサンゼルス五輪)の出場を懸けたバレーボールの男子2026アジア選手権は12日、福岡県の北九州市立総合体育館で準決勝の2試合を行った。日本代表は韓国を3-0(25-13、25-11、25-14)とストレートで圧倒し、決勝進出を決めている。

 決勝の相手はオーストラリアを3-1(25-21、17-25、25-17、25-22)で下したイラン。念のため説明すると日本が決勝でイランを下せば、五輪出場が決まる。

 2026年の代表シーズンで日本の正セッターを託されているのが深津英臣だ。彼は36歳のベテランで、日本代表の元キャプテンでもある。とはいえキャプテンを務めていたのは2017年で、日本代表から7年にわたって離れていた。

 それでも深津の「復活」というのは失礼だろう。彼は日本のLA28出場に向けて、抜群のプレーでチームを引っ張っている。

 準決勝・韓国戦を終えた深津は、緊張の残る硬い表情ながら、試合内容を前向きに評価していた。

「快勝だったと思います。韓国も一発あるチームですし、乗ったら止められないので、乗らせないようにずっと意識していましたし、それが集中力とかパフォーマンスのいい継続につながりました」

 深津はサーブも上手く打ち分けて、相手の守備を混乱させていた。彼は自らのサーブについて、狙いをこう説明する。

「相手のエースの 7番の選手(ホ・スボン)にスパイクを打たせたくなかったので、そのシチュエーションをできるだけ作るために、色々なサーブを打ってやっていました」

 もちろん彼の強みは、周りのアタッカーの強みを引き出すトスワークだろう。日本には石川祐希、髙橋藍、西田有志と強力なアタッカーが揃っている。深津はそれぞれにいいタイミングで、持ち味が出るようにトスを分配し続けている。

 韓国戦のアタックポイントを見ると、石川が11点で、高橋と西田は10点。準々決勝のインド戦は石川と西田が11点で、高橋が9点だった。打数もほぼ同じだ。

 深津はこう説明する。

「今シーズンやってきて、日本が強いときは、誰がどこから打ってくるか分からない、みんな同じ本数打ってくる状態だと僕は分かっています。今日のデータはまだ見ていないですけど、そうなっていたらよかったと思います」

それは狙いがよく分かった。もっとも、それに続く「どこに上げても決めてくれるので、僕としては別に何も考えずにトスを上げているだけ」というコメントは大人の謙遜だろう。

 リベロの山本智大は6学年上の先輩が持つ強みや、準決勝で二人がかわしたやり取りをこう説明する。

「深津選手はスキルだけでなく、チームをまとめてくれる存在です。今日はクイックに相手のミドルブロッカーが来てなかったので『クイック行ける』と伝えました。あと(韓国の)セッターが小さかったので、セッターと石川の対峙した時もっと使っていこうというところは、僕が試合中にコミュニケーションを取っていました」

 深津は攻撃の「司令塔」だが、ひとりですべてをコントールしているわけではない。チームメイトの声を聞き、それを試合に還元できる柔軟性も、彼の強みなのだろう。

 深津は未だに五輪の出場経験がない。2021年の東京五輪と、24年のパリ五輪は代表から外れていた。2016年のリオデジャネイロ五輪に向けた予選は正セッターとしてチームを引っ張ったが、本大会に届かなかった。

 明日のLA28を懸けた大一番への思いを尋ねると、彼はこう返してくれた。

「本当に勝っても負けても明日が最後ですし、今シーズンは明日のためにチーム全員でやってきました。最後まで自分たちのバレーボールを信じて、やっていきたいなと思います」

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この記事を書いたのは

大島和人

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