2026-27シーズンのSVリーグの開幕節で、昨季の王者・大阪ブルテオンは、今季SVリーグ初参入の北海道イエロースターズと対戦し、連勝スタートを切った。初戦の第1セットはセットポイントから、北海道YSのヨナス・クヴァーレンの強力なサーブを、大阪Bの甲斐優斗が正確に返し、そのまま助走に入って豪快にパイプ攻撃を決めセットを締め括った。今季、甲斐が数多く見せたいと考えているプレーだ。
開幕前、「ディフェンスというところは常に求められ続けると思うので、そこはもっと安定させていきたい」と、サーブレシーブを含むディフェンス面で信頼をつかむことをテーマに掲げていた。
甲斐は専修大学2年だった2023年から日本代表に定着しているが、これまではリリーフサーバーでの出場が多く、アウトサイドヒッターとして先発する機会はわずかだった。だが今年9〜10月に行われたアジア大会で全6試合に先発出場。そこで得たものは大きかった。
「昨シーズンからですが、サーブレシーブを特に強化し続けてきて、その部分でアジア大会を通して自信になるものがすごくあったので、そこはいい経験ができたなと思います」
今年は8月の薩摩川内合宿から、全体練習の前に早出して、毎日15〜20分程度、コーチ陣に付き合ってもらいサーブレシーブ練習を重ねてきた。主にB代表を担当していた永野健コーチ(大阪B)が、A代表の薩摩川内合宿に参加しており、その際に「ボールを触る時間を増やしたほうがいいぞ」とアドバイスされたこともあって、自主練習を始めたという。
「毎日15分、20分ぐらいだけですけど、それでも体の使い方や、フィーリングがすごくよくなっています。30分だとちょっと長いなと感じるんですけど、短い時間だからこそ継続できたところはあるのかなと思います」
アジア大会ではその積み重ねの成果を発揮した。まだ“安定”までには至らないが、着実に成長し、大阪Bのトーマス・サムエルボ監督も、「もともと彼はスパイクとサーブが強みでしたが、今年の代表チームでしっかりディフェンス面を強化して帰ってきてくれた」と評価する。
一方、甲斐がアジア大会で課題と感じたのは、得意とする攻撃面だった。
「攻撃のところがあまり振るわなかったというか、数字としてもあまりよくなかった。そこが自分の持ち味だからこそ、課題としてやっていかなければいけないなと思いました」
特に決勝のイラン戦では、被ブロックやミスが多出した。一旦ベンチに退き、第3セット終盤から再びコートに入ったが、第4セット中盤に立て続けにブロックに捕まり、交代となった。
身長200cmのアウトサイドヒッター甲斐の、高い打点からのパワフルなスパイクが国際舞台で通用することは、今年のネーションズリーグで唯一先発出場したベルギー戦でも証明していた。アジア大会でも、後方から上がってきたハイボールを、3枚ブロックの脇に豪快に打ち込むなど、持ち味を発揮した場面もあった。一方で、トスが低かったり、ネットに近かったり、コンビが合わなかった時の対応に課題が残った。
「無理やり、素直に打ちつけてしまっていたところがあった。もっと捻ったり、プッシュしたり、リバウンドを取ったり、他にいろんな選択ができたと思うので、そこは課題でした。思い切り決めにいこうとしすぎていた。もう少し上手くできたかなと思います。バックアタックは決定率的にはよかったと思うんですけど、フロントで相手ブロックがしっかり揃った時の打ち方というのは、もっと考えてやっていかないといけないなと感じました」
それは試合に出続けたからこそわかったこと。

日本代表は9月に行われたアジア選手権で優勝し、2028年ロサンゼルス五輪の出場権を獲得した。そのアジア選手権で甲斐は、最後に14人のメンバーから外れた。2年後のロス五輪で12人のメンバー入りを果たすために、必要なこととは。
「もっとプレーを安定させることができれば、もっと信頼されて起用される機会が増えると思うので、そこですね。ロスの12名に残るには来年が重要になってくる。そこでしっかり活躍できるように準備していきたいと思っています。ブルテオンでは日頃からいい練習ができますし、すごくクオリティの高い試合ができるので、そこで長くコートに立てればもっともっと成長できる。本当に出場機会というものを、SVでも求めながらやっていけたらなと思います」
大阪Bの開幕2連戦のアウトサイドの先発は、初戦は甲斐とキューバ代表のミゲル・ロペス、第2戦は日本代表の富田将馬とロペスだった。アジア選手権メンバーの富田も、ポジションは絶対に譲れない。
熾烈な競争の中でポジションをつかむため、甲斐が次にどのような進化を遂げるのか注目だ。




