[写真]=野口岳彦

世界最強国のメガクラブ

 ルブリンはタウロンリーガ(ポーランド1部)の強豪クラブだ。世界屈指のアタッカー、ウィルフレド・レオンを主軸に、2024-25シーズンにはリーグ初優勝を果たした。

 レオンに加え、ケヴィン・ササク(ネーションズリーグ2025ベストOP)やマルチン・コメンダ(ポーランド1部リーグベストセッター)らポーランド代表選手も所属。各ポジションに実力者をそろえ、選手層の厚さを誇る。

 ルブリンの最大の強みは、サーブとブロックだ。昨季は1セットあたりのサーブポイント、ブロックポイントともにリーグ全14チーム中2位を記録した。

 その中心となるのが、強烈なサーブを武器とするレオンと、ブルガリア代表のミドルブロッカー、アレックス・グロズダノフ(ポーランド1部リーグベストブロッカー)だ。

 一方、昨季の課題はレセプションだった。返球率は全14チーム中13位にとどまったが、今季は髙橋藍と小川智大の加入によって守備の強化を図る。

 攻守共に隙無しの盤石な布陣。目指すは王座奪還と欧州チャンピオンズリーグ優勝だ。

ルブリン注目選手

ルブリンのラストピース

 ルブリンに加入した髙橋藍と小川智大に求められる最大の役割は、レセプションの安定化だ。

 ルブリンの昨季レセプション返球率は全14チーム中13位。この弱点を埋めるために2人は招へいされた。

 髙橋はアウトサイドヒッターとして世界トップクラスの守備力を誇り、小川もフィリップ・ブラン元日本代表監督から「世界トップリベロの1人」と評された実力者だ。

 日本人選手2人には、守備の安定化を通じて、ポーランド代表選手を中心とした攻撃陣の力を最大限に引き出す役割が期待される。

 もっとも、髙橋と小川の貢献は守備だけにとどまらない。

 髙橋はVNL2026で総得点では4位、サービスエース数は1位タイを記録し、世界トップクラスの攻撃力を証明した。

 小川には、セカンドセッターとして攻撃を支える役割も期待される。レセプションが乱れ、セッターがファーストタッチを担うなどして本来のトスが難しくなった場面では、セッター経験のある小川が代わりにトスを上げることで、攻撃の選択肢を確保できる可能性がある。

 髙橋と小川は、守備の要兼攻撃の加速装置というルブリン最高のラストピースだ。

世界最強アタッカー

 ルブリンの顔、ウィルフルド・レオンを解説する。

 レオンを一言で表すなら『世界最強のアタッカー』だ。彼の最大の武器は『世界No.1の高さ』と『世界最速のサーブ』。その高さは、石川祐希が「OHで高さのNo.1はレオン」と評するほどだ。

 レオンのアタックが脅威なのは、長い助走を取らなくても、高い打点からブロックの上を打ち抜けること。相手にとっては、ブロックの位置や枚数だけで対処するのが難しい。

 『世界最速サーブ』については、欧州選手権2023のデンマーク戦で、世界最速の138kmを記録。世界一のサーバーは誰か?という問いに対して、必ずレオンの名前が挙がる。

 世界最強の矛とも言えるレオンだが、レセプションは課題の一つだ。昨季のリーグ戦では、レセプションの指標で対象選手66人中63位にとどまった。

 それでも、レセプションを狙われ、相手に3枚ブロックを組まれても、自ら得点を奪って流れを引き戻す。弱点を補って余りある攻撃力こそ、レオンの最大の魅力だ。

 どんな緻密な戦術も、シンプルな高さとパワーで破壊する最強アタッカーだ。