SVリーグの2025-26シーズンは、大阪ブルテオンの優勝で幕を閉じた。レギュラーシーズンは2位通過だったが、ファイナルでサントリーサンバーズ大阪を2勝1敗で下し、SVリーグ2代目王者に輝いた。

ファイナルでは、GAME1を落として先に王手をかけられた。ところが、GAME2をフルセットで勝利すると、GAME3は3-0で圧倒して逆転優勝。追い込まれた状況から、なぜ大阪ブルテオンは王者になれたのか。本記事では、大阪ブルテオンの強さの要因について解説する。

ブリザールのトスワークと得点力

[写真]=市川雄大

大阪ブルテオンの攻撃の中心が、セッターのアントワーヌ・ブリザールだ。

フランス代表として東京とパリオリンピックで金メダルを獲得した世界トップクラスの司令塔。196cmの高さから配給されるトスは、相手ブロックに的を絞らせなかった。

1本目がネットから離れてもミドルを使ったり、遠い逆サイドにピンポイントで上げるトスは、ワールドクラス。ブリザールが強力な攻撃陣を巧みに操り、決めやすい状況を作っていたのは間違いない。ミドルブロッカーのエバデダン ラリーは、ブリザールのトスについて「僕のバレー人生で一番、打たされている」と語っている。

さらにブリザールは、セッターでありながら自ら得点できるのが強み。ブロック・サーブ・ツーアタックに加えて、ラストボールを打って得点するシーンが多く見られた。今シーズンの総得点は209点とセッターとしては驚愕の数字だ。

華麗なトスワーク・意表をつくツーアタック・ツーアタックと見せかけたトスで、相手ブロックを翻弄し続け大阪ブルテオンの攻撃を牽引した。

選手層の厚さ

[写真]=市川雄大※写真は2026年2月28日撮影

大阪ブルテオンの強さを支えたのは、選手層の厚さである。リベロとセッター以外には、控えに日本代表の選手がいるほど豪華だ。

アウトサイドヒッターは、ミゲル・ロペスと富田将馬を軸に、控えには日本代表の甲斐優斗がいる。200cmからの高打点のスパイクとサーブが武器の選手だ。守備の富田・攻撃の甲斐のイメージで、展開によって、うまく使い分けられていた。実際にファイナルでも、富田の守備が崩れた場面で甲斐が投入され、アタックとサーブによる得点で試合の流れを引き寄せた。

ミドルブロッカーは、山内晶大・ラリー・彭世坤・西川馨太郎の4人が代表選手だ。各選手がリーグ戦40試合ほど出場しており、誰が出ても高いパフォーマンスが出せることを示している。ファイナルでは、西川の活躍が目立った。

オポジットは西田有志を軸に、控えの西山大翔もA代表として国際大会の経験がある。高さでは西田にも劣らない西山は、出場した試合では得点を取り結果を残している。

これだけの選手が揃っているからこそ、誰が出てもチームとしてのパフォーマンスを落とさない。実際にファイナルでも、西川や甲斐など代わって入った選手が活躍していた。

ロペスと西田の得点力

[写真]=兼子愼一郎

大阪ブルテオンの得点源として、ロペスと西田の存在は欠かせない。

ロペスはレギュラーシーズン42試合に出場し、アタック決定率54.4%でトップスパイカー賞を受賞した。総得点は596点。高さを武器としながら、速いテンポでもスパイクを打てる。サーブレシーブにも参加しながら、高い決定率を維持する安定感が強みだ。

西田はレギュラーシーズンで651得点を記録した。攻撃専門のポジションで、決定率50.8%という驚異的な数字だ。さらにブロック59点、サーブ57点とスパイク以外でも得点を取れる。得点時のガッツポーズや気迫あふれるスパイクは、チームを鼓舞するだけでなく、会場を巻き込んで熱くさせる。

とくに西田はチャンピオンシップで真価を発揮した。セミファイナル、ファイナルを通じて勝負どころで得点を重ね、チャンピオンシップMVPに選出されている。GAME1で敗れた後のGAME2とGAME3で見せた勝負強さは、エースとしての実力を証明するものだった。

ロペスと西田の得点力があるからこそ、相手チームはブロックの的を絞りきれない。ブリザールのトスワークと合わせて、大阪ブルテオンの攻撃は2人を軸に展開されていた。

山本と富田が中心のディフェンス力

[写真]=市川雄大

攻撃力が注目されがちな大阪ブルテオンだが、優勝できた要因としてディフェンス力の高さがある。その中心が、リベロの山本智大とアウトサイドヒッターの富田だ。

山本は日本代表の正リベロとして、国際大会でもリベロ賞を受賞する選手だ。守備範囲の広いディグで相手の強打や軟打に対応する。ブロックでコースを限定させて、空いたところに山本が入る。「なんでそれを上げられるんだ」というシーンを何度も見てきた。またカバーするだけで難しいボールも、味方が打てる位置までボールを運んで得点に繋げられる。ボールを落とさないだけでなく、2本目をトスにする技術が卓越しているのが山本だ。

富田は攻守にバランスの取れたアウトサイドヒッターだ。強力なサーブに対しても安定したパスをセッターに返し、チームの攻撃リズムを途切れさせない。日本代表でも守備に定評のある富田が、サーブレシーブの中心にいると、大阪ブルテオンの攻撃の安定性に繋がる。

攻撃のブリザール・ロペス・西田に目が行きがちだが、山本と富田を中心としたディフェンスが安定しているからこそ攻撃ができる。守備から攻撃へ繋ぐ流れの質の高さが、大阪ブルテオンが優勝できた要因のひとつだ。

チーム力で掴んだリーグ制覇

大阪ブルテオンがSVリーグを制した要因は、おもに4つだ。

  • ブリザールのトスワークと得点力
  • 選手層の厚さ
  • ロペスと西田の得点力
  • 山本と富田を中心としたディフェンス力

どれか一つが欠けても、レギュラーシーズン2位からの逆転優勝は達成できなかっただろう。攻守にわたって高いレベルの選手が揃い、誰が出ても活躍できるチーム力が、大阪ブルテオンの強さだ。来季の連覇を目指す戦いにも注目が集まる。

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この記事を書いたのは

重村暁希

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