ACN バレーボールネーションズリーグ2026 男子大阪大会が7月15日に開幕した。ここまで8勝0敗と絶好調の日本代表は難敵・イタリア代表と対戦し、3-2(24-26、25-19、25-20、23-25、15-12)のフルセットで勝利を挙げている。日本はこの結果により、大阪大会の3試合を残して、7月29日から中国のマカオで開催される決勝ラウンド進出を決めた。
そのイタリア戦に先発出場した西田有志にとっては8年ぶりとなる「大阪での代表戦」だった。前回はくしくも同じネーションズリーグで、対戦相手もイタリア。2018年6月10日、日本はイタリアから11年ぶりとなる勝利を挙げている。西田は18歳の新鋭として、その勝利に貢献していた。
「僕自身もそれこそ2018年以来でやれたこともあったので、非常に何か懐かしい感じでした。久しぶりにここでやって、若干緊張はしましたけど、でもよかったです」
髙橋藍、石川祐希とアウトサイドヒッター陣が好プレーを見せる展開だったが、西田も持ち味を発揮していた。アタックで見るとイタリアに対して髙橋藍の23点に次ぐ19点を記録し、決定率は66%を記録している。
「コンビがどこのレベルで合わせるかというところはありますけど、そこで一つの打開策を見つけられたのは非常に大きかったです。決定率も非常に安定していい状態だったと思います。それがサーブにもつながったり、いろいろな影響があったのか、自分のパフォーマンスとして非常に良かったです」
西田と言えば“剛”のプレースタイルで、パワフルなスパイクの印象が強い。ただ今日は相手のタイミングをズラす、相手がいないところに優しく落とす“柔”のスパイクが多かった。
「今日も 7~8割ぐらいの力で打っていたスパイクがほとんどだったのかな。それが決まっていたのが大きかったし、バリエーションを一つ出せたのが大きいかなと思います」
そのようなプレーに関して何か特別な取り組みをしている、特別な意図があったことは否定していたが、イタリアに対してそのような変化が有効だったことは間違いない。
「僕はずっと強打しかなかったので、イタリアもそのイメージがあったと思います。無理して打つところと、無理して打たないところはもちろん見分けしないといけないですし、それが0.何秒で考えないといけない部分があります」
念のため説明すると、西田は2025年の代表シーズンを欠場している。「休養」をしていたわけでなく、肉体改造に取り組み、スケールアップを果たすための時間だった。
今季は日本代表のオポジットを西田と宮浦健人が争う状況になっている。西田は二人の関係について、少し“深い”コメントをしていた。
「リーグの中でメイン(=オポジットの日本人レギュラーとして)で戦っているのは僕ら二人だけですし、常に僕らが先頭に立ってやっていかないといけない。ライバルと言われますけど、戦うことがライバルのすべてではないと思います。僕らは切磋琢磨してレベルを上げて、お互いにリスペクトを持ってやっています」
二人いるから助け合える、補い合える部分もある。
「気持ち的に楽だとは思います。自分がダメになったら無理だ、後がない……という状況でなく、ダメになってもバックアップがいる。自分がバックアップ側だったとしても、そこは一緒の感情だと思います。それはいい関係かなと思います」
西田には記者から様々な質問が飛んだが、個人に関する質問に対して「チーム目線」で返す発言が多かった。単なる一選手でなく、「リーダー」として振る舞えるところも彼の強みだ。VNLのファイナルラウンド、ロサンゼルス2028オリンピック出場権をかけたアジア選手権に臨む日本代表にとって、プレーと人間の“幅”が広がった西田の存在は確実に大きい。それを改めて確信したイタリア戦だった。




