変化と挑戦の2026-27シーズンが、サントリーサンバーズ大阪を待っている。2018-19シーズンからチームを牽引したドミトリー・ムセルスキーが引退。SVリーグ初年度から2シーズン在籍し、リーグの「顔」だった髙橋藍もポーランドのクラブと契約してサントリーを去った。一方で楽しみな新戦力も加わり、春のチャンピオンシップ、ファイナルに向けたチーム作りが始まっている。
サントリーの新キャプテンは小野寺太志。9月のアジア選手権ではベストミドルブロッカーに選出され、日本代表のLA28(ロサンゼルスオリンピック)出場決定にも貢献した30歳だ。
新チームはまだ未知数だ。小野寺もシーズンの見立てをこう説明する。
「(代表活動などで)チームへの合流が遅くなってしまった選手がたくさんいるので、戦いながらチームを作り上げていくことにはなると思います。1試合1試合、どんどん成長していく姿をお見せできるかなと思います。ファイナルの舞台でどんな強みを持って戦っているのか、まだ僕らにも分からない部分ですが、期待値はすごくあります」
今季のSVリーグは外国籍の同時起用が3名(アジア特別枠も含めると4名)に拡大される。このことについて問うと、小野寺は「いや、迷惑だなと思います」と強烈なクイックを返してきた。
選手にとって“迷惑”な側面はあるにしても、ハイレベルな選手の増加にはリーグや選手のレベルを上げるメリットもある。小野寺はこう続ける。
「自分自身のレベルアップのためにはすごくいい環境です。オリンピック、他の国際大会で当たるような選手と対峙できるからです。そのイメージを持ったまま代表活動に入れるので、いい試みかなというのは思います」
サントリーの新加入選手はルチアーノ・パロンスキー、蔡沛彰、ワシム・ベンタラ、備一真、ダニエル・チチゴイの5名。新キャプテンはこのような期待を口にする。
「練習を見て、ベンタラ選手とチチゴイ選手はすごく飛ぶし、高さとパワーがあります。今までディマ(ムセルスキー)が、ベテランの枠でずっとチームを守ってくれていました。そこに新しくベンタラ選手が入ってきて、久々にオポジットがフライング(レシーブ)しているのを見たなというくらい元気です。陽気な性格なので、すごくチームともすぐ打ち解けて、仲良くやっています。またチームが明るくなりました」
ベンタラはチュニジア代表の30歳で、204センチのオポジット。ペルージャでは石川祐希とともに2025-26シーズンの4冠(CEVチャンピオンズリーグ、FIVB世界クラブ選手権、スーペル・コッパ、セリエA)に貢献している実力者だ。実績や能力はもちろんだが、オフコートでもチームに好影響をもたらしてくれそうな存在だ。
キャプテン就任の経緯については、こう振り返る。
「藍の移籍が決まって、レギュラーシーズンが終わったくらいのときにスタッフに呼ばれて『来シーズンのキャプテンをやってくれないか』と言われました。みんなの前に立つことはそんなに好きではないし、あまりやりたくないのが本音です。だけど外国人選手も大きく変わるし、試合に出ている選手でサンバーズ歴が一番長いのは僕になるんですよね。そこも加味して言ってくれたと思うし、こういう役に選んでいただけるのも光栄なことなので、受けました」
アジア選手権後に黒くなった髪色については、キャプテン就任とまったく無関係とのことだった。
「(3歳の)娘が七五三で、幼稚園とかもあります。5年くらい髪を染めていたので、久々に暗くしようかなと思いました。(髪色が)暗すぎるんじゃない?とも言われましたが、息子は暗いほうがいいと言っていました」
2023年まで所属したJTサンダーズ広島時代にもキャプテンは務めていたが、ただ本人として「望んで得た地位」というわけでもない様子だった。しかし小野寺は小野寺らしく、この地位を全うしようとしている。
「藍はみんなの中心に立って、声を出して引っ張っていくタイプでした。僕はどちらかというと、外から見るタイプです。チーム全体を見ながら、優勝という目標に向かって行くための方向を示していきたいと思います。1人ひとりが動けるように意識して、声がけ、チームが勝つための行動を意識してやっていきます」




