2026年9月13日、バレーボール男子日本代表はアジア選手権の決勝でイランを3-0で破り、2028年ロサンゼルスオリンピックの出場権を獲得した。東京、パリに続き、3大会連続の五輪出場となる。
五輪で登録できるのは12人。出場権をつかんだアジア選手権の14人より2人少なく、2年後の本番に向けて激しいメンバー争いが予想される。本記事では、ロス五輪に挑む男子日本代表の12人を予想する。
ロス五輪の予想メンバー12人

予想する12人は以下のとおりだ。
| ポジション | 予想メンバー |
|---|---|
| アウトサイドヒッター | 石川祐希、髙橋藍、大塚達宣、甲斐優斗 |
| オポジット | 西田有志、宮浦健人 |
| ミドルブロッカー | 小野寺太志、エバデダン ラリー、髙橋健太郎 |
| セッター | 関田誠大、永露元稀 |
| リベロ | 小川智大 |
アジア選手権の14人と比べると、甲斐優斗、髙橋健太郎、関田誠大、永露元稀の4人が新たに入る。一方で、富田将馬、山内晶大、西本圭吾、深津英臣、河東祐大、山本智大の6人が外れる形だ。
五輪では、アジア選手権などの国際大会より登録できる人数が2人少ない。パリ五輪の12人の内訳を見ると、減ったのはミドルブロッカーとリベロだった。
パリ五輪では、リベロは山本智大が選ばれ、小川智大はメンバーから外れた。アウトサイドヒッターの富田将馬は、12人とは別枠の交替選手として登録されている。とくにリベロは、世界トップクラスの2人から1人を選ばなければならない。
アウトサイドヒッター|石川・髙橋藍・大塚に甲斐が続く

- 石川祐希
- 髙橋藍
- 大塚達宣
- 甲斐優斗
アウトサイドヒッターは、パリ五輪と同じ4人を予想した。
石川祐希|主将として日本を五輪へ導いたエース

石川は、アジア選手権で主将としてチームを率い、ロス五輪の出場権をつかんだ。今季はトルコのジラート・バンク・アンカラでプレーしている。
石川の強みは、スパイクの決定力だけではない。高いブロックに正面から打ち込めない場面では、ブロックの指先を狙ってはじき出したり、あえてブロックに当てて跳ね返ったボールを拾い直したりして、次の攻撃につなげる。苦しい場面でも無理に打ちにいかず、得点の確率が高い選択をできる判断力が石川の真価だ。
ロス五輪の時点で32歳。東京、パリに続き、3大会連続で五輪のチームの中心を担うことになるだろう。
関連記事:石川祐希と髙橋藍は何が違う?攻撃・守備・勝負強さをバレー経験者が徹底比較
髙橋藍|サーブレシーブと攻撃を両立する攻守の要

髙橋藍は、今季ポーランドのボクダンカ・LUK・ルブリンでプレーするアウトサイドヒッターだ。
アウトサイドヒッターは、相手のサーブで狙われやすいポジションだ。髙橋は強いサーブを受けても、セッターが動かずにトスを上げられる位置へ返球し、そのまま助走に入ってスパイクを打つ。サーブレシーブで崩れないからこそ、日本は速い攻撃を組み立てられる。
守備でも、相手のスパイクコースを読んで正面に入り、リベロに近い範囲をカバーする。ロス五輪の時点でも26歳。攻守の両面で、石川とともにチームを支える存在だ。
大塚達宣|海外でプレーする3番手のオールラウンダー

大塚は、イタリアのパワーバレー・ミラノでプレーするアウトサイドヒッターだ。195cmの高さを生かしたスパイクに加え、サーブレシーブもこなす。
パリ五輪では、不調の石川に代わってコートに立ち、結果を残した。今季はアジア競技大会にも出場し、若手中心のチームで決勝まで勝ち進んだ。イランとの決勝には敗れたものの、銀メダルを獲得している。
主力が欠けたときに試合を任せられる、日本に欠かせない3番手と言えるだろう。
甲斐優斗|200cmの高さとサーブで4枠目へ

甲斐は、身長200cmのアウトサイドヒッターだ。パリ五輪には20歳で出場し、すでに五輪の舞台を経験している。
甲斐の武器は、高い打点から打ち下ろすスパイクとサーブだ。日本のアウトサイドヒッターは、石川が192cm、髙橋藍が188cmと、世界の基準では高さで劣る。200cmの甲斐がコートに入れば、高いブロックの上から打てるうえ、ブロックでも相手のエースに対抗できる。
今季はアジア選手権のメンバーから外れ、アジア競技大会に出場した。それでもロス五輪の時点で24歳と伸びしろは大きい。2年間でサーブレシーブの安定感を高められれば、4枠目は甲斐が有力だろう。
その他の候補|富田将馬

富田は、アジア選手権でアウトサイドヒッター4人の1人に選ばれた。パリ五輪でも、12人とは別枠の交替選手として登録されていた。
富田の強みは守備力だ。サーブレシーブとディグの安定感は、アウトサイドヒッターの中でもトップクラス。1
2人枠でリベロが1人になれば、守備に強いアウトサイドヒッターの価値は上がる。チームの構成次第では、甲斐との入れ替わりも十分に考えられる。
オポジット|西田・宮浦の2枚看板

- 西田有志
- 宮浦健人
オポジットは、パリ五輪と同じ2人を予想した。
西田有志|サーブとスパイクで得点を量産する左利き

西田は、大阪ブルテオンでキャプテンを務める左利きのオポジットだ。2025-26シーズンはSVリーグのチャンピオンシップでMVPを獲得し、チームを優勝に導いた。
左利きの西田は、コートの右側からの攻撃で、セッターからのトスを体の正面でとらえられる。相手ブロッカーにとっては、右利きの選手と打つ位置やボールの回転が変わるため、対応が難しい。強烈なジャンプサーブで、相手のサーブレシーブを崩せるのも大きな武器だ。
ロス五輪の時点で28歳。東京、パリに続く3度目の五輪で、日本の得点源を担うことになるだろう。
宮浦健人|高い打点と曲がるサーブで西田と使い分け

宮浦は、ウルフドッグス名古屋に所属するオポジットだ。パリ五輪では、西田とともにオポジットを担った。
宮浦の持ち味は、長い腕を生かした高い打点からのスパイクだ。ブロックの上から打ち下ろせるため、相手の高いブロックにも打ち負けない。大きく曲がる「バナナサーブ」も、相手のサーブレシーブを乱す武器になる。ポーランドやフランスのリーグでプレーした経験もあり、海外の選手との対戦にも慣れている。
サーブとパワーの西田、高さの宮浦。タイプの違う2人を相手や試合展開に応じて使い分けられるのは、日本の大きな強みだ。
その他の候補|高橋慶帆

高橋慶帆は、194cmのオポジットだ。2026年度の代表登録メンバーに選ばれ、アジア競技大会では決勝の舞台にも途中出場で立った。
西田と宮浦が左利きなのに対し、高橋は右利きのオポジットだ。ライトからの攻撃では、右の打点までトスを持ってきてもらうことで、より高い打点から打てる。本人はレフトからの攻撃も苦手ではないと語っており、どのローテーションでも攻撃に加われる。得点力も魅力で、2023年の杭州アジア大会では、7試合中5試合でチーム最多得点を記録した。
フランスのパリ・バレーで2シーズンを過ごし、海外の選手と戦ってきた。今季はジェイテクトSTINGS愛知に所属している。ロス五輪の時点で24歳。西田と宮浦の2枚看板に、どこまで迫れるか注目だ。
ミドルブロッカー|小野寺・ラリー・髙橋健太郎の3人

- 小野寺太志
- エバデダン ラリー
- 髙橋健太郎
ミドルブロッカーは、14人から12人に絞られるときに1枠減るポジションだ。アジア選手権では小野寺、山内晶大、西本圭吾、エバデダン ラリーの4人が選ばれたが、本記事では小野寺、ラリー、髙橋健太郎の3人を予想した。
小野寺太志|クイックとブロックで長年主力を担う

小野寺は、202cmのミドルブロッカーだ。パリ五輪にも出場し、長年日本代表の主力としてクイックとブロックでチームに貢献してきた。
小野寺の特徴は、ミドルブロッカーでありながら器用なことだ。相手のスパイクをレシーブしたり、セッターが触れないボールを正確な二段トスにしたりできる。ラリーが続く場面で、ボールをつなぐ役割まで担えるミドルブロッカーは貴重だ。
ロス五輪の時点で32歳。経験と器用さで、ミドルブロッカー陣をまとめる存在になるだろう。
エバデダン ラリー|スピードと身体能力で台頭した新戦力

ラリーは、大阪ブルテオンに所属する195cmのミドルブロッカーだ。2025-26シーズンは大阪ブルテオンのSVリーグ優勝に貢献し、今季はネーションズリーグとアジア選手権のメンバーに選ばれた。
ラリーの持ち味は、攻守のスピードだ。セッターからトスが上がる前に助走に入り、速いクイックで相手ブロックが完成する前に打ち切る。ブロックでも、サイドの攻撃に対して横に移動するスピードが速く、手を出すまでの時間が短い。
ロス五輪の時点で27歳と、選手として充実した時期を迎える。日本のミドルブロッカー陣の中心になっていく選手だ。
髙橋健太郎|相手を読むブロックで3枠目へ

髙橋健太郎は、201cmの高さを持つミドルブロッカーだ。パリ五輪のメンバーにも選ばれている。
髙橋の武器は、相手スパイカーの癖やセッターのトスの傾向を読みながら跳ぶブロックだ。トスが上がってから跳ぶ「リードブロック」は、反応の速さと読みの正確さが求められる。髙橋は高さに加え、相手の攻撃を読む力で、ブロックによる得点を重ねてきた。
今季はアジア選手権のメンバーに入らなかったが、世界の高い攻撃を止めるには、髙橋の高さと読みが必要になる。ロス五輪の時点で33歳となるものの、3枠目には経験のある髙橋を予想した。
その他の候補|西本圭吾

西本は、188cmのミドルブロッカーだ。今季はアジア選手権とアジア競技大会の両方でメンバーに選ばれた。
ミドルブロッカーとしては高くないが、高さで劣るぶんを技術で補い、スパイクの決定率が高い。自分より高い選手にマークされても決め切れるのが強みだ。
得点のたびに声を上げ、チームを盛り上げる気迫も西本の持ち味。ロス五輪に向けて、3枠目を争う1人になるだろう。
セッター|関田と永露、タイプの違う2人を予想

- 関田誠大
- 永露元稀
アジア選手権では深津英臣と河東祐大が選ばれ、関田と永露はメンバーから外れた。それでも本記事では、ロス五輪のセッターに関田と永露を予想した。
関田誠大|相手ブロックを見て配球する司令塔

関田は、東京、パリの2大会で五輪に出場したセッターだ。サントリーサンバーズ大阪に所属している。
関田のトスワークは、次の流れで相手ブロッカーの判断を遅らせる。
- ボールの落下地点へ素早く移動する
- 移動しながら、相手ブロッカーの位置を一瞬確認する
- どこへ上げる場合も同じフォームで構える
- ブロッカーが少ない方へトスを上げる
直前まで行き先が読めないため、相手のブロックは遅れ、スパイカーは枚数の少ないブロックに対して打てる。
ロス五輪の時点で34歳となるが、世界の高いブロックを相手に、スパイカーを生かすトスを上げられる関田の経験は代えがたい。
関連記事:関田誠大のうまさとは?他の選手にはない技術を徹底解説
永露元稀|192cmの高さで関田と使い分け

永露は、192cmの長身セッターだ。今季はネーションズリーグでメンバーに選ばれていた。
高い位置でトスを上げられるため、スパイカーまでの距離が短くなり、速いトスで相手ブロックより先に打たせやすい。セッターでありながらブロックで得点を狙えるのも、永露の特徴だ。ミドルブロッカーを積極的に使う、攻撃的な組み立てもできる。
ゲームメイクの関田と、高さの永露。タイプの違う2人を、試合展開に応じて使い分けられる。
その他の候補|深津英臣・河東祐大

深津英臣と河東祐大は、ロス五輪の出場権を勝ち取ったアジア選手権で選ばれたセッターだ。
深津はウルフドッグス名古屋の司令塔で、代表経験も豊富なベテランだ。落ち着いたゲームメイクで、苦しい展開でも試合を立て直せる。ただし、ロス五輪の時点で38歳となり、年齢は課題になる。
河東は、2026年度に日本代表に初選出された175cmのセッターだ。アジア選手権のメンバーに選ばれたうえ、アジア競技大会では先発セッターとして決勝まで戦った。今季のティリ監督の人選を見ると、2028年に向けてセッターの序列が入れ替わる可能性も十分にある。
リベロ|12人枠の1人は小川智大

- 小川智大
12人枠では、リベロは1人になる。パリ五輪では山本智大が選ばれ、小川はメンバーから外れた。ロス五輪では、小川を予想した。
小川智大|崩れないサーブレシーブで1枠をつかむ

小川は、今季からポーランドのボクダンカ・LUK・ルブリンでプレーするリベロだ。髙橋藍と同じクラブに所属している。
小川の武器は、サーブレシーブの安定感だ。相手のサーブがどこに来るかを読み、ボールの正面に入ってセッターへ正確に返す。リベロのサーブレシーブが安定すれば、アウトサイドヒッターは攻撃に集中でき、セッターも速い攻撃を選べる。
今季から海外でプレーすることで、外国人選手の強いサーブやスパイクを毎週のように受けることになる。高さとパワーのある相手に慣れれば、さらに技術が上がる可能性を秘めている。
五輪のように強いサーブを打つ相手が続く大会では、サーブで崩されないことが勝敗を分ける。パリでは外れた小川が、ロスでは1枠をつかむと予想した。
関連記事:山本智大と小川智大の違いは?世界トップレベルの2人を徹底比較
その他の候補|山本智大

山本は、東京、パリの2大会で五輪のリベロを務めた。大阪ブルテオンに所属している。
山本の大きな武器は、守備範囲の広さとボールへの反応の速さだ。相手の強打の勢いを体の力を抜いて吸収し、セッターへ返す。ボールを落とさないだけでなく、2本目をトスにする技術も高い。
ディグの山本、サーブレシーブの小川。どちらが選ばれてもおかしくないほど、2人の実力は拮抗している。大会ごとに起用が入れ替わる可能性もあるだろう。
ロス五輪までの道のり|メンバー争いは2027年の世界選手権で本格化
ロス五輪までの主な国際大会は以下のとおりだ。
- 2027年 ネーションズリーグ
- 2027年9月 世界選手権
- 2028年 ネーションズリーグ
- 2028年7月 ロサンゼルスオリンピック
出場権を早く獲得したことで、日本は残りの2年間を、五輪に向けた選手選考とチームづくりに使える。とくに2027年の世界選手権は、五輪前年に世界の強豪と戦える大会であり、ロス五輪のメンバーを占う大会になるだろう。
ロス五輪へ、12人の座をかけたメンバー争いに注目
本記事では、ロス五輪に挑む男子日本代表の12人を予想した。
- アウトサイドヒッター:石川祐希、髙橋藍、大塚達宣、甲斐優斗
- オポジット:西田有志、宮浦健人
- ミドルブロッカー:小野寺太志、エバデダン ラリー、髙橋健太郎
- セッター:関田誠大、永露元稀
- リベロ:小川智大
五輪の12人枠では、ミドルブロッカーとリベロが1枠ずつ減る。どの選手が選ばれてもおかしくないほど、今の日本代表は選手層が厚い。2027年の世界選手権、2028年のネーションズリーグと続く国際大会では、結果はもちろん、各ポジションで誰が選ばれるかにも注目だ。




